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向坂未央(サキサカミオウ)
親の幸せが子供である私には直結しない。誰も彼もみんな、個人であり独りだから。他人にだんだん触れていくような感覚に、いつからか嫌悪感を覚えるようになった。
「じゃあ、お母さん仕事に行ってくるから。ちゃんと勉強しておきなさいよ〜?」
お母さんが幸せそうに微笑む。
「分かってる。気をつけてね、行ってらっしゃい。」
手を振ると、お母さんはドアを閉めた。
バタン。
その音に弾かれるように、私は急いで自室に
親の幸せが子供である私には直結しない。誰も彼もみんな、個人であり独りだから。他人にだんだん触れていくような感覚に、いつからか嫌悪感を覚えるようになった。
「じゃあ、お母さん仕事に行ってくるから。ちゃんと勉強しておきなさいよ〜?」
お母さんが幸せそうに微笑む。
「分かってる。気をつけてね、行ってらっしゃい。」
手を振ると、お母さんはドアを閉めた。
バタン。
その音に弾かれるように、私は急いで自室に