花の微笑みに気づいたら、花が好きになった
イタリアにいた時、
ある男の先生が尋ねた。
「女性は花を貰うと喜ぶが、
本当に嬉しいものなのか」と
そこにいた女性たちはみな
「あたりまえじゃない」
「もちろんよ」と
口をそろえて答えたが、
その時わたしには
その気持ちがわからなかった。
その先生は安心したように
「それならこれからも花を贈ろう」
と言っていた。
今日わたしは花屋を覗いた。
どの花も「いらっしゃい」と
暖かくて優しい微笑みを
向けてくれた。
その時ようやく
気づいたのだ。
ああ 花は美しいから
贈られるのではない。
ああ 花は女性に似合うから
贈られるのではない。
花は花の微笑みがわかる者に
届くものなんだな、と。
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