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記憶にある中で、私が自分の曲を奏でてみようと試みたのは、小学校の低学年の時だ。 ピアノの練習を一通り終え、その延長でテキトーに鍵盤を鳴らす。 それはまだ和音も調性もちぐはぐな即興音楽だったように思う。 一つ鳴らした音から、次に鳴らす音を考えるのが楽しく、そして一度奏でたものはすぐに忘れ、常に新しい気持ちで新しい音を作る感覚。 イタリアに留学し、そこで経験したのは言葉の壁であったが、外国語の壁というよりは、感情と言葉の間にある壁。 この「ありがとう」という気持ちを、g