迎合しない「自分らしさ」

すっかりと秋めいてきて、カフェオレでも作ろうかと、煙草を吸いながらやかんを火にかける。

なんとなく あー、と思い出し。

ちょうど去年の今頃横浜で飲み会がありまして、元町に泊まって観光したのですよ。
チャーミングセールなるイベント二日目で、元町通りは年齢幅広くお客さんがひしめいておりましたわね。
その時に「珈琲氷のアイス珈琲(喫煙可)」という看板を見つけて。

入ってみたんですよ。

昔ながらの直階段を登り、茶すけた建て付けの悪いドアを開くと、案の定お客さんいっぱい。

空いてたカウンターに座って煙草を吸いながら待ってると、続々とお客さんが。
「あのーここ禁煙席ありますか?」
「うちそういうのないんですよ」
帰る客の「え!?今時ありえない」みたいなニュアンスに、心でニヤリとする。

そうか、ここは珈琲と煙草を愛する者達の店。世俗に習って煙草を嫌い、スタバだタリーズだバリスタだのとコーヒー通だけを気取る輩は踏み込めぬ店なのか。

それが本来の喫茶店なんだけどね笑

ほぼ満員の店内は、珈琲と煙草と料理のよくわかんない匂いが漂っていて、その中で年配のマスターが紙煙草に火をつける。
注文をさばきった後の一服
ああ…うまそうに吸いますねマスター。
その横で多分奥さんが洗い物をしていて、これがこの喫茶店の日常なんだな、と懐かしく思いましたよ。
カウンターの両脇には電子タバコのお客さん。そして紙煙草の私。
ここに居ると紙煙草が優位に感じられて、それもまた良かったり。

最近はこういう喫茶店が無いから、喫煙者はコーヒーが飲みたくてもコンビニで買って車内、もしくは我慢して店内って人が多いと思う。
社会では世間に倣っていても、やはり家に帰れば自分なりの生活を楽しみたいし、変える気もない。
ここのマスターのように、自分のスタンスで仕事ができ、お客さんも絶えず来店なんて事はなかなかできないけど
理想だよなぁ、なんてね。






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