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みんなの俳句大会 #宇宙杯

あやかしの棲むがごと老桜おいざくら

昔、母と京都に旅行に行きました。母が見たい桜がある、というので、それを目的にした旅行でした。桜は、いつ咲いていつ散るかわからないので旅行の予定には入れにくいですが、まさに満開のちょうど良いタイミングで、天気にも恵まれて、とても良い旅行になりました。そのときに見に行った夜桜が、もう樹齢が長くて、あちこちを頬杖支柱に支えられ、老いと歴史を感じ、妖しさすら感じました。まるで妖怪の類でも棲んでいるのではないかも思われるほど、妖艶で美しい桜でした。
老桜、という言葉が、桜という季語をいじっているようで、自分としては気になっております。でも、ただの桜ではなくて、樹齢の長い老いた桜であることを伝えたかったのです。類季語、子季語でふさわしいものがあれば、どなたか教えていただけると幸いです。(追記:コメントで教えていただきました。ありがとうございます)


ものの芽や水面みなもぬらぬら鯉の群れ

春は、爽やかでキラキラしたイメージがあるかもしれませんが、私にとって春は、生き物の匂いのする、むんむんした、もわっとしたイメージです。ものの芽は、木の芽と比べて、もっと広義の、広い意味で生命の息吹を表す季語だと聞いた覚えがあって、この季語を選びました。鯉は夏の季語ですが、「観賞用の鯉」という意味の季語のようでしたので、水辺でぬらぬらと泳ぐ鯉は季語として弱まるのではないか、と思い、季重なりですが、このまま出します。(追記:鯉は季語ではないと学びました。ありがとうございます)



春寒し不妊治療の帰り道

これは、ザ!実体験です。不妊治療って、ほんっとーーに、きついんです(個人の意見です笑)期待と不安と絶望の日々でした。私は自分の感情の解放を小説でやっているのですが、私が勝手に俳句の心の師匠と呼ばせていただいている紫乃さんの記事を拝読して、俳句で感情の解放をしてもいいんだ、と思って、この俳句を作りました。つらかったあの日々のことは、俳句にもこめますし、いつかちゃんと小説にも書きたいと思っています。
春寒しは、余寒よりも春への期待感が強い季語、とのことでしたので、当時の、未来への期待をこめた気持ちを季語に託しました。

#宇宙杯
#俳句


みんなの俳句大会が、私の思っている100倍くらい大きな大会で、しかもどんどんグレードアップしているので、自分の把握できる企画じゃない……と感じています。今回は、すでに俳句を作っていたので出しますが、今後はちょっと見守らせていただく側にまわるつもりです。それでも、みなさまの俳句は鑑賞させていただきます。よろしくお願いします。

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