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【実録】愛してくれると、信じたかった。

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何千人もの女性を救ってきた女風セラピストは、私を幸せにはしてくれなかった。 彼が私に見せた、歪んだ性癖。 スワッピングに乱交パーティ、欲望渦巻くディープな世界で、私たちは…
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#エッセイ

22. 苦しみを与えるために

≪ 21. 早朝のナイトクラビング 私とシンジがセックスすること自体は、尊も皆も当然知っている、というか見ているわけで、お互いのパートナーも特段咎めることではないけれど、これはあまり良い状況ではない。 本当に2人きりになるのはこれが初めてだった。 シンジの家には油彩から立体まで様々なアートが置かれていたが、私は一度もそれに触れなかった。音楽だけじゃなく芸術全般が好きなんだろう、でも私は、これ以上何か共通点を持つのが怖かったんだと思う。 『ハルくんのキス、いいよね。咥え

16. 人は人を捨てられないのに。

≪ 15. 午前4時、私たちの時間 ハル(海/尊)|女風で出会った私のパートナー。 シンジ|乱交パーティーの主催者。作曲家。 尊は靴を脱いで部屋に上がる。 玄関には仕事用の革靴がいくつかと、普段履きのスニーカーが出ていた。 2LDKの家の中は意外と物が多くて、少し散らかっている。 まさか家に来るとは考えていなかったから、彼の暮らしぶりを想像したことはなかったけれど、部屋は現実で溢れかえっていた。 家庭はないようだ。本当に。 『上品な部屋じゃなくてごめんね、そこの

15. 午前4時、私たちの時間

≪ 14. 私を見つけて。 ハル(海/尊)|女風で出会った私のパートナー。 シンジ|パーティーの主催者。作曲家。 かほちゃん|シンジのパートナー。職業女王様。 セナちゃん|ボーイッシュな赤髪の女の子。自傷癖あり。 シンジとかほちゃん、セナちゃんはよくパーティで一緒になったが、それ以外のメンバーは1度きりの人も多かった。 メンバーの1人がバルコニーから戻ってきたので、入れ違いで煙草を吸いに出る。普段は一切吸わないが、こういう時は吸うと気持ちが安らぐ。銀座の画廊にいた頃、オ

10. いらっしゃい。

9月26日、19時40分。 前の予定とうまく時間が合わず、待ち合わせの20分前に歌舞伎町に着いてしまう。店に入るには時間がない。ウィンドウショッピングするような気分でもない。 路地裏で時間を潰すとき、新宿区役所脇の駐輪場は私のお気に入りの場所だった。ガードレールに寄りかかる。歌舞伎町でも比較的静かな場所で客引きもいないから、徒然に過ごすにはちょうど良かった。 待つ時間が長ければ、区役所横のルノアールと決まっている。 夜の仕事をしている人たちも多く、ほかの店舗とは全く違