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言葉の箱

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#江國香織

でもわかっていた。私には何もできないのだと。私には手出しできない場所に、このひとはもう人生を築き始めている。 - 江國香織

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"アオイではなく、ひらがなであおいと呼んでくれた" - 江國香織『冷静と情熱のあいだ Rosso』

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夕焼けというのはたぶん、善良なひとに似合うものなのだ

江國さんの小説の一節です。 私は夕焼けが苦手なのです。 とても胸が苦しくなるし、寂しい感…

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"子供よりも大人の方がやさしいし、ずっと善良だし心弱いのだと、山田さんは知っている。だからこそ大人は恋をするのだし、大人には友達が必要なのだ。それはとても孤独なことだけれど、同時にものすごく甘美で、たぶん人生でいちばん素敵なことなのだと思う。" - 江國香織『泣かない子供』

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"腕の内側は、心の中同様他人にふみこまれたくない場所なのだ。" - 江國香織『すいかの匂い』

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"お鮨を食べ、壜入りの色水みたいなオレンジジュースをのみながら、私は、お酒をのまない女は嫌いだと思った。大きくなったら、絶対にお酒の強い女になろうと決心した。" - 江國香織『すいかの匂い』

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"おかえりなさい。子供が言うような言い方だった。私は胸が一杯になる。1ミリグラムの誤差もなく、言葉が正しい重量をもっていた。" - 江國香織『落下する夕方』

“わたしは自分がたったいま恋人を疑ったことにおどろき、動揺している。信じきっていなければ、愛に意味などないことを知っていた。” - 江國香織『ウエハースの椅子』

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"自分の人生に予定をたてた覚えはないのだが、予定外だ、と思うことはしばしばあって、可笑しいと思う。予定がないのに、予定外はあるのだ。" - 江國香織『泣く大人』

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"男たち。子供の私には与えられていなくて、大人の私に与えられたもの。得体の知れない思考と幸福な体温を持ち、芳しく、骨ばった生き物。" ― 江國香織『ウエハースの椅子』

9

深夜あなたはそこにいて

私はなぜかここにいる

犬なら遠吠えするのに

小鳥ならとんでいけるのに

猫なら家をすてるのに


― 江國香織『すみれの花の砂糖づけ』

7

"やさしそうな男だと思った。どのくらいやさしいか確かめたいと思った。" ― 江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

10

"やり直すのではなく新しく会いたい" ― 江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

8

”帰る場所。人は一体いつ、どんなふうにして、それをみつけるのだろう。眠れない夜、私は、人恋しさと愛情とを混同してしまわないように、細心の注意を払って物事を考えなければならない。” ― 江國香織『冷静と情熱のあいだ』