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言葉の箱

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記事一覧

でもわかっていた。私には何もできないのだと。私には手出しできない場所に、このひとはもう人生を築き始めている。 - 江國香織

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"アオイではなく、ひらがなであおいと呼んでくれた" - 江國香織『冷静と情熱のあいだ Rosso』

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"もう二度と 死ななくてよい安らぎに 見つめてゐたり祖母の寝顔を" - 梶原さい子

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"眠るため消した電気だ。悲しみを思い返して泣くためじゃない" - 工藤吉生『世界で一番すばらしい俺』

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"それ以上言わない人とそれ以上聞かない僕に静かに雪は" - 松村正直

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"ふたりだと職務質問されないね 危険なつがいかもしれないのに" - 雪舟えま

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"愛してるって言わなきゃ殺す" - 戸川純

"無理してる自分の無理も自分だと 思う自分も無理する自分" - 枡野浩一

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"「燃やすとき公害になる」補聴器の電池を抜いた入棺のとき" - 加藤千恵

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“亡き母は西瓜の端が好みだと 大人になるまで思っていた我” - 梅木至子

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“飛び降りて死ねない鳥があの窓と決めて速度を上げてゆく午後” - 木下龍也

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“もう握り返してくれない掌(て)を握り、握ったまま死ねればよかった” - 千種創一

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“首吊りのひもの長さのせいにして結局生きていくような君” - 加藤千恵

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“ふと気付く受胎告知日 受胎せぬ精をおまへに放ちし後に” - 黒瀬珂瀾 黒瀬さんの、耽美的な同性愛の世界が痛いほど好き。飄々としてるのにじゅくじゅくで、そこが絵画的なの。