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言葉の箱

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#小説

でもわかっていた。私には何もできないのだと。私には手出しできない場所に、このひとはもう人生を築き始めている。 - 江國香織

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"アオイではなく、ひらがなであおいと呼んでくれた" - 江國香織『冷静と情熱のあいだ Rosso』

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夕焼けというのはたぶん、善良なひとに似合うものなのだ

江國さんの小説の一節です。 私は夕焼けが苦手なのです。 とても胸が苦しくなるし、寂しい感…

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"あなたにはわからないかもしれないけど、そんなにも何かに飢えて何かを求めずにはいられない人間は、そうではない人間よりもずっと表現者になる資格があるんだと思う。" - 中山可穂『感情教育』

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"お鮨を食べ、壜入りの色水みたいなオレンジジュースをのみながら、私は、お酒をのまない女は嫌いだと思った。大きくなったら、絶対にお酒の強い女になろうと決心した。" - 江國香織『すいかの匂い』

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"どうか、あなたの人生で、あたしの台本をよごさないで" ― 寺山修司『青ひげ公の城』

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"おかえりなさい。子供が言うような言い方だった。私は胸が一杯になる。1ミリグラムの誤差もなく、言葉が正しい重量をもっていた。" - 江國香織『落下する夕方』

“わたしは自分がたったいま恋人を疑ったことにおどろき、動揺している。信じきっていなければ、愛に意味などないことを知っていた。” - 江國香織『ウエハースの椅子』

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"自分の人生に予定をたてた覚えはないのだが、予定外だ、と思うことはしばしばあって、可笑しいと思う。予定がないのに、予定外はあるのだ。" - 江國香織『泣く大人』

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"男たち。子供の私には与えられていなくて、大人の私に与えられたもの。得体の知れない思考と幸福な体温を持ち、芳しく、骨ばった生き物。" ― 江國香織『ウエハースの椅子』

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"やさしそうな男だと思った。どのくらいやさしいか確かめたいと思った。" ― 江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

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"やり直すのではなく新しく会いたい" ― 江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

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”帰る場所。人は一体いつ、どんなふうにして、それをみつけるのだろう。眠れない夜、私は、人恋しさと愛情とを混同してしまわないように、細心の注意を払って物事を考えなければならない。” ― 江國香織『冷静と情熱のあいだ』

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”枕もシーツも、もう男の人の匂いはしない。洗いたての木綿の匂いと、私のオーデコロンの匂いがかすかにするだけだ。清潔は孤独。”― 江國香織