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言葉の箱

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#スキしてみて

"アオイではなく、ひらがなであおいと呼んでくれた" - 江國香織『冷静と情熱のあいだ Rosso』

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"もう二度と 死ななくてよい安らぎに 見つめてゐたり祖母の寝顔を" - 梶原さい子

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"ふたりだと職務質問されないね 危険なつがいかもしれないのに" - 雪舟えま

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"「燃やすとき公害になる」補聴器の電池を抜いた入棺のとき" - 加藤千恵

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“亡き母は西瓜の端が好みだと 大人になるまで思っていた我” - 梅木至子

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夕焼けというのはたぶん、善良なひとに似合うものなのだ

江國さんの小説の一節です。 私は夕焼けが苦手なのです。 とても胸が苦しくなるし、寂しい感…

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"あなたにはわからないかもしれないけど、そんなにも何かに飢えて何かを求めずにはいられない人間は、そうではない人間よりもずっと表現者になる資格があるんだと思う。" - 中山可穂『感情教育』

"子供よりも大人の方がやさしいし、ずっと善良だし心弱いのだと、山田さんは知っている。だからこそ大人は恋をするのだし、大人には友達が必要なのだ。それはとても孤独なことだけれど、同時にものすごく甘美で、たぶん人生でいちばん素敵なことなのだと思う。" - 江國香織『泣かない子供』

9

フレンチトーストが幸福なのは、それが朝食のための食べ物であり、朝食を共にするほど親しい、大切な人としか食べないものだから、なのだろう。- 江國香織『とるにたらないもの』

8

"腕の内側は、心の中同様他人にふみこまれたくない場所なのだ。" - 江國香織『すいかの匂い』

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"お鮨を食べ、壜入りの色水みたいなオレンジジュースをのみながら、私は、お酒をのまない女は嫌いだと思った。大きくなったら、絶対にお酒の強い女になろうと決心した。" - 江國香織『すいかの匂い』

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"どうか、あなたの人生で、あたしの台本をよごさないで" ― 寺山修司『青ひげ公の城』

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"おかえりなさい。子供が言うような言い方だった。私は胸が一杯になる。1ミリグラムの誤差もなく、言葉が正しい重量をもっていた。" - 江國香織『落下する夕方』

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“わたしは自分がたったいま恋人を疑ったことにおどろき、動揺している。信じきっていなければ、愛に意味などないことを知っていた。” - 江國香織『ウエハースの椅子』