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言葉の箱

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2021年11月の記事一覧

”帰る場所。人は一体いつ、どんなふうにして、それをみつけるのだろう。眠れない夜、私は、人恋しさと愛情とを混同してしまわないように、細心の注意を払って物事を考えなければならない。” ― 江國香織『冷静と情熱のあいだ』

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”枕もシーツも、もう男の人の匂いはしない。洗いたての木綿の匂いと、私のオーデコロンの匂いがかすかにするだけだ。清潔は孤独。”― 江國香織

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”あんた、自分のこと繊細やとか、気が弱いとか言うとるけど、えらい率直やし、適当にわがままやし、ほんま気楽な人やで”―瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』

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"崇拝されるより、欲情されるほうがはるかに幸せだと思う。” ー 中山可穂『白い薔薇の淵まで』

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”泣いている宮下先生はとても美しかった。泣かれている漆原はやさしくて男らしかった。この二人は愛し合っているのだ。大人の女になるためには、大人の男に愛されなくてはならない。”― 中山可穂『感情教育』

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”すごーくおいしいものを食べた時に、人間は2つのことが頭に思い浮かぶようにできているの。一つは、ああ、なんておいしいの。生きててよかった。もう一つは、ああ、なんておいしいの。あの人にも食べさせたい。で、ここで食べさせたいと思うあの人こそ、今自分が一番好きな人なの。”―『卵の緒』

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“「生活していれば、どうしたって傷つくのよ。壁も床も、あなたも私も」主張しながら、なんだかかなしくなってしまった。“ー 江國香織『とるにたらないものもの』

"わたしは彼のやさしさが少々物足りなかった。キスしたければ、すればいいのに。欲しければ塁のように、がむしゃらに血を流してでも奪えばいいのに。" ― 中山可穂『白い薔薇の淵まで』

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"大切なのは、受け容れられ、望まれるということだった。家族とか、学校とか職場とか、そういう背景の一切関係のない場所で、自分が誰かに望まれるということ。心だろうと身体だろうとかまわない。何をもったいぶる必要があるだろう。" ― 江國香織『左岸』

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"「こうやって一緒に生きてるわ」ひっそりと、詩史が言った。「一緒に暮らしてはいなくても、こうやって一緒に生きてる」透は、返事をしなかった。" ― 江國香織『東京タワー』

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"甘くて贅沢な、快楽を伴って口の中でとけるチョコレートは、男が女の心をとかすためのものだとしか思えないから。" ― 江國香織『いくつもの週末』

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