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氷点下32度の私たちは

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カナダ、北緯63度、氷点下32度。 一面、白銀の世界。 私はあの極北の地で、全く別人格だった。 皆もだ。 あそこにしかいない人が、たくさんいた。 氷点下32度の私たちは…
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#うつ

氷点下32度の私たちは|#0 北緯43度からの孤独

夜中2時ごろ、けたたましいサイレンの音が壁をつんざいた。 『全員階段で1階まで降りて!急いで!』 11階のRA(レジデント・アシスタント)が廊下で叫んでいる。部屋のドア下にはなかなか広い隙間が空いているから、外の騒ぎがすぐ伝わってきた。 火事か? 私はコートを羽織ってスマホを手に取り、すぐに廊下に出る。 ちょうど出てきた隣の部屋のフロアメイトが『よくあるんだよ』と教えてくれた。 何が「よくある」んだろうと思ったが、どうせ原因は後々分かるだろうと思って人混みの流れに