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甲斐健太郎“漢気残留”

毎年この時期になると移籍やら残留やら引退やら、選手の今後の動向に注目が集まる。

そんなさまざまな契約関係のニュースの中で、FC岐阜のサポーターである僕が1番嬉しかったこと。それが「甲斐健太郎の残留」だ。

2016年から岐阜に入団し、2018年は鳥取へレンタル移籍さえするも、5年間FC岐阜に在籍し続けた甲斐にとって2020シーズンはどんなシーズンだったのだろうか

岐阜のサポーターにとって、最初のハイライトとなるのは第3節のホーム讃岐戦だ。ご存知の通りコロナ禍という厳しい状況の中、無観客から解放された最初の日。僕は迷わず長良川へ駆けつけた。岐阜は思うように試合を進められず、前半38分に讃岐に先制点を許す。その後も攻め続けたがなかなか追いつけない岐阜は後半41分、ついに讃岐のゴールネットを揺らす。高崎が優しく落としたボールをボックス外から思い切りよく右足を振り抜いた。

同点ゴールを挙げたのはセンターバックの甲斐健太郎だった

その後岐阜は勝ち点を積み上げ、昇格争いに喰らい付くこととなる。

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そんな中、昇格争いに喰らいつけた重要なターニングポイントは、第20節の讃岐戦だったと僕は思う。勝ち点3が是が非でも必要な岐阜だったが、序盤に2失点を喫するという最悪なスタートだった。しかし後半から逆襲が始まる。後半3分。コーナーキックからのこぼれ球を橋本和が押し込み1−2。34分にもコーナーキックからのこぼれ球を町田ブライトが体を張ってゴールにねじ込む。岐阜は2点差を追いつき2ー2とした。

そしてドラマ後半43分に待っていた。右サイドでボールを持った町田。後ろから誰かが猛スピードで駆け上がってくる。“甲斐健太郎”だ。

迷わずクロスを放り込んだ町田。甲斐は頭でボールを逸らし、最後はエース川西がシュート。甲斐の勝利への執念が、岐阜を昇格させるという強い覚悟が生んだ、最高の結末だった。

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僕は今シーズン、長良川で何度も岐阜が敗北する瞬間を見た。しかし1つだけ毎回感じることがあった。敗北後、スタジアムを一周する甲斐の表情は闘志にあふれており、強い覚悟を感じた。昇格を信じることができた。

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シーズンが終わり、岐阜は昇格することが出来なかった。上のカテゴリーからオファーがかかり、他チームへ移籍をする選手もいた。

僕は覚悟していた。行ってしまうことを。これは多くの岐阜サポが同じ思いを持っていたはずだ。

しかし2021年1月8日 甲斐の残留が発表された。

「2021年でFC岐阜に加入して6年目となりますが、応援してくれる皆様を裏切ったままではいられないし、男ではないと思います。
2021年シーズンこそ皆様と共に、目標、否、通過点であるJ2復帰を達成し、2022年を迎えられるように、今年も岐阜を応援してくれるスポンサー様、ファン・サポーターの皆様の為に、頑張らせていただきます」(コメント)

漢甲斐健太郎。永遠に緑の戦士として輝き続けて欲しい

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