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整いの日曜日―10月24日
サウナの良さが今まで分からなかった。ただ暑いだけじゃんと思っていた。何なら夏なんかは汗を流しに来てるのに何でまた汗をかかなきゃいけないんだ、と本末転倒感すら味わっていた。
だがそれは自分が水風呂に入っていなかったからだと今日気づいた。
私は昔から水風呂が苦手だった。周りの真似をして入ろうとしてもヒャッといって足を引っ込めてしまうのだ。めちゃくちゃ頑張って膝ぐらいまで。お腹や胸まで漬けたらただの罰ゲームだ、と思っていた。
ただ先日友人から、サウナー(サウナが好きな人。本当にこう呼ぶのかは知らない)が言うところの「整う」という感覚は、サウナで熱せられたカラダを水風呂で一気に冷やしたときの体温の変化によって生じるものだと聞いた。正確には水風呂に入って変化した体温を通常時に戻して、初めてその感覚が味わえるのだという。
だから先ほど、近所のスーパー銭湯でサウナに入り、頑張って水風呂に肩まで浸かってみた。するとどうだろう。刺すような冷たさが、ある時を境に一気に心地よさに変わったのだ。冷たさに慣れた、というのが正しい表現なのだろうけど、それだと微妙に違うような気がする。何というか、会社のオフィスにいたと思ったら急に実家にワープしたかのような。冷水なのに何故か温かみさえ感じるような。あの感覚はビックリした。
そのあとは露天風呂のエリアに備え付けられたベッドのようなものに寝転がり、下がりすぎた体温を外気温で元に戻す。夜空を仰ぎ見ながら、二日酔いによる体調の悪さと、日曜日特有のユーウツな気分がほぐされていく感覚が心地よかった。これが「整う」というものか、と私はサウナの醍醐味に触れたことに喜びを隠せなかった。こりゃハマるわと思った。
気分が良くなったので風呂上がりに食堂でトンカツ定食とハイボール(二日酔いが直ったから)を頼み、食後は休憩スペースでリクライニングシートに体を預けながら金田一少年の事件簿を読んで帰った。
暇つぶしに貴賤はないが、あえて採点するならこの時間の使い方は間違いなく100点満点ハナマル☆センセイションだろう。
ああ、こんな時間が一生続けばいいのに。
中学生の書くラブソングみたいな想いさえ抱く、そんな理想の日曜日だった。
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