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ATMパニック―2021年2月28日

・ある口座に1,506円振り込む必要に迫られ、近所のセブンイレブンのATMに千円札2枚を入れたら、なぜか振り込まれずに2000円が丸々吐き戻された。おかしいなと思い再び紙幣投入口に入れるも、結果は同じ。モニターには「投入可能額以上を入れるとすべて返却されます」との表示。投入可能額とはすなわち1,506円のことで、その金額ぴったりに振り込まないとダメなのだという。それは不可能な話だ。506円を入れようにも、セブンイレブンのATMは硬貨が使えないからだ。

・硬貨が使えない?

・そこでなるほどと思った。今回のように1,506円に対して2,000円を入れられたら、ATMはお釣りとして494円を返さなければならない。だが人間側が硬貨を使えない以上、ATM側も硬貨を吐き出すことができない。つまりお釣りを返せないから、ぴったりの金額で入れてね、ということなのだ。そんなことも考えなきゃ分からない自分の馬鹿さ加減に呆れたが、その時は後ろに待ってる人がいて慌てていたのだ。

・ま、それは置いといて。

・大手銀行でも、窓口が開いていない時間帯にはATMで硬貨を扱っていないことがある。だが上記のように、硬貨を使っての取引に迫られることだってあるだろう。紙幣は終日使えるのに、なぜ硬貨だけは制限があるのだろうか。

・「ATM 硬貨 使えない なぜ」と頭の悪いワードで検索にかけたら、ITmediaの記事とヤフー知恵袋の質問が上位に表示され、お目当ての情報がきちんと記されていた。SEO(検索エンジン最適化)様様である。

・まず銀行のATMが時間外に硬貨を扱えないのは、無人状態でのトラブルを回避するためだという。硬貨は紙幣に比べて詰まりやすかったり、大量に投入することですぐに満杯になったりするケースが多い。そういったトラブルが発生したときに、営業時間外だと銀行員が対処できず、翌営業日まで放置されてしまう。そういった事態をなくすため、時間外での硬貨取り扱いを除外してしまったのだそうである。

・続いてコンビニのATMで硬貨が使えない理由だが、ひとつは銀行と同じく、故障しても修理できる人間がいないため。そしてもう一つは運搬が困難だからだそうだ。確かに硬貨は1枚1枚の重さは取るに足らないが、大量に集まると相当な重量になる。古畑任三郎で加藤治子が犯人役だった回のように、袋に詰めて殴れば簡単に人を殺せてしまうほどだ。それを毎回コンビニへ補充しに行ったり、余った硬貨を運び出したりする労力とコストは計り知れない。

・また、そもそも硬貨取り扱い機能っている?という声もあるそうだ。確かに我々も普段、ATMで硬貨が使えなくて不便に思ったことはあまりない。振り込んだり引き下ろしたりするのはほとんどが紙幣で、口座内の端数はたいてい何らかの手数料に充てられるのみ。今回の私みたいなケースは全くのイレギュラーで、そんなマイノリティのために利用価値の低い機能を追加するのは勿体ない。

・以上のようにATMにおいて硬貨の取り扱いが制限されているのは、リスクヘッジやコスト削減といった企業努力の現れであることが分かった。まあ少し考えれば分かるような単純な理由ではあったが、こうして誰かの文章で書かれていると納得できる。振り込めなかった1,506円は諦めて営業時間内の銀行のATMで支払うことにしよう。


・なんてどうでもいいATMの裏事情を調べてたら、みずほ銀行のATMの方がシステム障害で大変なことになっていた。預金の引き出しができないどころか、通帳やキャッシュカードが吸い込まれて戻ってこないなんて恐怖でしかない。利用者の方、心中お察しいたします。

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