赤い洗面器の男――2024年9月2日

ここ数日でいちばん重かったプレゼン資料の作成を何とか乗り越えて気分爽快株主総会。まああまりに的はずれすぎて一顧だにされなかったけど。でもいいんだ。期限内に終わらせることが大事。


蕎麦とミニカツ丼。りんはや、カツ丼好き。ハンバーグの次に好きかもしれない。美味しかった。


三谷幸喜脚本のドラマ『総理と呼ばないで』を初めて見た。支持率1.8%という史上最低の総理大臣が、内閣不信任決議の可決を避けるために奇抜な作戦を企てるという話。

政治ドラマだけど、適度なウィットと人間臭い登場人物たちのおかげで、全体的にコメディな雰囲気が漂っていて、肩肘張らずに見ることができる。「『のべつまくなし』を『のべつくまなし』と間違えてマスコミに叩かれる」「総理を乗せた車が渋滞に巻き込まれ、商店街みたいな横道に逃げたら開かずの踏切に止められ、町民に取り囲まれる」など三谷幸喜らしさ全開なのが嬉しい。

田村正和の演技を『古畑任三郎』以外で初めて見たけど、終始古畑任三郎で笑っちゃった。でも1話のラスト辺りの演技は古畑では絶対に見られないものだったので、とても良かった。名優だよなあ。


『王様のレストラン』7話を見たら、"赤い洗面器の男"の話が語られる回だった。

赤い洗面器の男とは、三谷幸喜の作品でしばしば登場する小咄。夜道を歩いていると、前から水の入った赤い洗面器を頭の上に乗せた男が歩いている。その男に「どうして赤い洗面器を頭に乗せているんですか」と聞く。すると男はこう答えた………………。


この話にはオチがない。いやオチはある(三谷幸喜の中で)のだけど、そのオチは絶対に語られない。話者がオチを忘れていたり、意地悪で教えなかったり、語ろうとした瞬間に非業の死を遂げたりという様々な理由で、必ず話が中断してしまうのだ。

こういう小ネタを仕込んでくるところも、三谷幸喜のサービス精神みたいなものが垣間見えていいよなあと思う。最近の映画は全然見れていないけど、今でも赤い洗面器の男の話は語られているのだろうか。

もし三谷幸喜好きを自称する人がいたら「赤い洗面器の話のオチ知ってる?」と聞いてみてください。「知ってる」と答えた人はホラ吹き、「知らない」と答えた人は本当の三谷幸喜オタクです。あるいは本当に何も知らないかのどちらかです。


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