ETUDE──2023年6月24日〜25日

・土日と「名前のない役者たち緑」という企画のスタッフとして、それぞれのチームの稽古場に付いて買い出しや代役や写真撮影などの仕事を行なった。

・いろんな年齢、性格、喋り方の役者さんが混在となってひとつの作品に注力しているというのは何とも不思議なものだ。中には大学時代に所属していたサークルの後輩や、過去に観た芝居に出ていた役者さんもいたりして、演劇界隈(殊に小劇場)の狭さに驚いた。


・日曜日には稽古の一環としてのエチュードに自分も参加させてもらい、己の才能を遺憾なく発揮した。頭が真っ白になって心身ともにフリーズする才能である。

・エチュードが上手い人は、話を別方向に展開させるのに長けている。新たな設定を放り込んだりあえて相手の話に乗っかってみたり、あるいは突っぱねてみたりして、会話の流れを一段階上に持っていける。そうすることで観客(この場合は演出家と他の座組メンバー)を飽きさせない。

・あとは、選択肢の取捨が上手い。会話には無数に分岐点があり、どのルートに進むかをその都度考えなければいけない。エチュード上級者は、そのときの状況や制限時間に鑑みて選別するスピードがとてつもなく速い。しかも「この方向でいいのかな?」という不安も見せず、初速からトップスピードだから説得力もある。

・そういった創意工夫の才と状況把握の能力と「変化」を加えられる勇気とを持った人が、今回の稽古場ではわんさか(というか自分以外全員)といて、打ちのめされた。みんなが作ってくれた展開に乗っかるだけで精一杯だった自分はやっぱり役者に向いてないのだろうなと──分かってはいたものの──少し落ち込んだ。

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