Face to Face―2021年2月24日

・半額の刺身と半額の酢飯を買って半額の海鮮丼を食べた。潮の味がした、半額の。

仕事をしながら『にししのらじじ』第73回を聴く。今月13日の西明日香生誕祭の話がメインだった。生誕祭は視聴チケット(3,000円ぐらい)を購入しようと思っていたのだが、ちょうど未曾有の金欠だったので断念。ただ今回の放送を聴いて、ゲストの田丸篤志氏の熱演が凄かったことだけを知った。観たかった。

生誕祭の放送の後、ZOOMお話会というものがあったという。ZOOMで30秒間、西明日香と一対一で会話ができるというものだ。ファンとしては垂涎の催しだが、さすがにそれは購入しようとは思わなかった。別に話したくないわけではない。むしろ推しの声優と対面で会話しようものなら心臓がいくつあっても足りないぐらいなので、自らの生命を危ぶんで断念したのだ。こういう対面イベントに参加できるだけの胆力と勇気と覚悟が欲しい。

しかも自分はそれほど深く彼女を追いかけているわけではない。せいぜい『てさぐれ!』を全話観ているぐらいだ。洲崎西も80回目ぐらいまでしか聴いていないし、『きんいろモザイク』は観てすらいない。そんな自分がいざZOOMで一対一で対面したところで、いったい何を話すことがあろうか。こんな新参者のモグリが現れたところで先方をつまらなく思わせるだけだ。緊張でしどろもどろになったキモオタが西さんとその熱狂的なファン、番組のスタッフさんたちの緊張な時間を費やすぐらいなら、参加しないほうが遥かにマシだろう。対面イベントのあとにファン同士の打ち上げ会もあったらしいが、同じ理由で彼らとも会わせる顔がない。

ただ、じゃあ熱心に追いかけている相手なら会話したいかというと、それもまた違う。例えば月ノ美兎とか久米田康治とかオモコロの永田さんとかは1年以上追いかけているからお話してみたいが、いざ対面すると恐らく色んな言葉が滝のように脳みそから溢れ出て、喉元で渋滞して、きっと何も喋れなくなる。そして沈黙が下りて気まずい空気が流れ、「じゃ、私、次があるので…」と重い空気のまま去られる未来が容易に想像できて怖い。そういう意味で、とてもお会いする気にはなれない。

そういえばただ一度だけ、『言の葉の庭』の小説版が発売されたときに新海誠のサイン会に行ったことだけはある。いま思えば、よく参加できたなと当時の自分を尊敬するが、まだ自分も若かったので、未来への恐怖を考えない向こう見ずなところが残ってたのだろう。新宿の世界堂で買った色紙にサインを書いてもらいながら、早口で「僕も雨のにおいが好きです」とかこっぱずかしいことを言って後悔した覚えがある。もしかしたらその時のトラウマが今でも残っているのかもしれない。

ただVtuber金剛いろはとの対面イベントがあったら参加したい。なぜなら彼女に伝えたいのは応援してるだの先日の配信が良かっただのではなく(ファンが応援するのは当たり前だし、彼女の配信なんだから良いに決まっている)、ただ感謝だからだ。色んなことがあったが、それでも健気に明るく振舞い、変わらず僕らの目の前に居続けてくれたことに対しての「ありがとう」。それだけはずっと本人に伝えたいと思っている。伝えられた本人は「あっそ。ふーん。はい、次の方」って感じだろうけど。


ARuFaが『けいおん!』のキャラソンを意識して作った曲を『けいおん!』平沢唯役の豊崎愛生が歌うという奇跡。聴いてみると確かにけいおんのキャラソンにあってもおかしくないと思えるのは、ARuFaのパスティーシュの能力が高いのか、平沢唯の声がけいおんの曲をけいおんの曲たらしめているからだろうか。どっちでもいいけど。いい曲だし。

俺も作曲して西明日香に歌ってもらいたい。そうしたら対面イベントにも堂々と参加できるのに。

作曲しなきゃ参加できないなら一生無理じゃん。

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