恣意創ゲーム──2023年5月25日

・数日前にだけど、Aマッソの動画スタッフがショート動画の再生数で競い合う動画があがっていて、興味深かった。

・TikTokは下ネタが回りやすい(再生されやすい)とか、違法アップロードで人気の動画を公式から出しても再生数稼げるとか。YouTubeで人気の動画がTikTokではさっぱりだとか、逆もまた然りだとか。YouTubeのショート動画ってなんかTikTokっぽくて嫌だなあと思ってたけど、視聴者のニーズは大幅に異なるんだなと分かって面白かった。

・さらに驚いたのは、ショート動画のサムネがランダムなこと。たまにめちゃくちゃ引きの強いサムネを見るけど、恣意的に設定されたものではないのだという。ギャンブルじゃん。何百万回再生されてる動画は、まさしく穴馬の3連単を的中させるぐらいの豪運から生みだされた奇跡なのだろう。


・マロリーというお店のポークステーキが美味しそうで気になっている。

・見るとメニューが山の名前になっている。高尾山や富士山、マッターホルンなど。なるほど店名のマロリーは登山家のジョージ・マロリーから来ているようだ。

・ジョージ・マロリーといえば、「そこに山があるから」という名言を吐かしたことで有名だけど、あれが実は誤訳だと最近知った。インタビュアーが「なぜエベレストに登るのですか?」と質問したのに対して「Because it's there.(そこにエベレストがあるから)」と答えたのが、翻訳家の"it's"の解釈ミスによって間違って伝わってしまったのだという。

・いや、もしかしたら翻訳家も誤訳だと認識した上で、「そこに山があるから」の方が汎用性が高いから、あえて間違えたのかもしれない。「うがった見方」という言葉が誤用だと知ってるけど、誤用の方が人口に膾炙してるから敢えて使うのと同じような感覚で。実際、そういう認識だったのだとしたら大成功をおさめている。

・トートロジーのようだけど、正しいことがすべて正しいとは限らない。恣意的にあえて間違えることが、特定の状況においては正解となるケースもよくある。独擅場を"どくだんじょう"と間違えて読んだほうが(正しくは"どくせんじょう")絶対に通りがいいし、愉快なマジシャンはショーの始めにわざと失敗して観客の傲慢を買うらしい。いまは正解すべきなのか間違えるべきなのか、クイズ番組の芸人のような対応が、時に人生では求められる。


・上の階から、時折トントントントンと何かを叩く音が聞こえてくる。直接床を叩いてるというより、何かを介して小刻みに振動しているような音。振動するほどの小刻みな動きを夜中に繰り返す行動といえば一つしか思い浮かばなくて、ゲンキだねえと微笑ましくなる。

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