見出し画像

日本のキリスト教 あんまり知られてない初歩の話(前)

V-tube配信で時々遊んでるんだけど、私の特技はキリスト教の話。
キリスト教は一応日本でも認知されてるけど、意外と知られていない事が多くてよくこんな話をする。

「ザビエルしか知らん」
「アレでしょ?カトリックと何か」
「トンスラァァ!」(逆によく知ってるなぁ)

仏教にも色々宗派はあるけど、キリスト教にも宗派がある。
大きくは「カトリック」と「プロテスタント」
歴史の教科書でも出てくるから、この2つがあって、派手な方と地味な方として認識されてる。

さてここでクイズ。
地味な方のプロテスタントも色々な宗派があるのですが、現在日本にいくつの宗派があるでしょう!?

「6ぐらい?」
「もっとだよ50とかでしょ?」
「多過ぎ30ぐらい」
「思い切って100に一票」

正解は200以上

何じゃその数ってぐらい多い。

教科書に出てくるイエズス会以外に、世界中色んなルートから色んな宗派がこの極東日本にたどり着いてきたのだ。
欧米から来るのもあれば、イギリスっぽいやつもギリシャ系もロシア系もアジア系、韓国系、色々ある。

現在最も大きなプロテスタントの教団は「日本基督教団」。
現代の日本人が受け入れやすい感じに洗練されているので、多くのミッションスクールはこの教団の教理を遵守している。

この教団のいいところはともかく、宗教によるカルト化の危険性を徹底的にそぎ落としているところ。
宗教性というよりは、ヒューマニズムを大切にしていて、人間の営みの美しさの中に神様の心を見いだすような感じ。

だけど一方で、安直にそぎ落としすぎるので、失われている部分も多いというのは分かっておかないと、国際的に見た宗教観からはかなりズレが大きいんじゃないかなと思う。

というのも、この教団は昔からあった教団ではない。
戦時中、大日本帝国は基督教を次のように取り締まった。
「プロテスタントの全教団を統合して、イエス様と同列に天皇陛下を掲げて拝せ」。
「日本基督教団」と名付けられた全教団は命令に従って、日本のキリスト教の活路となったのだった。

戦後、多くの教団が元の自分たちの教団を再設立し直したが、そのまま日本基督教団にとどまる信者も多数いて、今現在も時代に即した日本のキリスト教の中心的存在として、信仰を牽引している。

だから、今も日本基督教団の人の中には「元はホーリネス派でした」とか、「元は長老派だったんですよね」とか、別の教団の名前を言う先生や年配の方も多い。

敗戦の経験はもちろん、新興宗教や様々な洗脳的・カルト的信仰のあり方を深く問い直しながら、今の「リベラル」と言われる教団のカラーに行き着いた。
色々そぎ落としてはいるけど、色々な形で「元の宗派」の心を受け継ぎながらやってる。
それが、日本で一番でかい「日本基督教団」。

後半は、戦後再復興したその他の教団の話。

ここまで読んでくれてありがとう~。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?