【読書録】 世界一流エンジニアの思考法【Be Lazy】

世界一流エンジニアの思考法(著:牛尾 剛)

ITエンジニア本大賞2024でビジネス書部門のベスト10に選出された話題の本。
自分はエンジニアではないが(マークアップコーダーです)、ネット上でよく目にするのと、職種は違えど自分が今抱えている悩みなども触れられていそうだと思ったので読んでみた。
(以前に、中嶋聡さんの本を読んで面白いと感じたので、「マイクロソフト」繋がりとしても興味が湧いた。)

感想と要約

正直、読む前は「タイトルがあまり好きじゃない」と思っていたが、結論的に面白くてためになって読んでよかったと思った(偏見申し訳ない、、)。


要約

主な内容は、(職種に限らず)ほとんどの人が抱えている仕事の悩みである、

  • 速く効率良く仕事を進めたい

  • 納期に苦しみたくない

  • 人間関係に振り回されたくない

といったことに対する解決策を、マイクロソフトで働く著者の周りの「一流エンジニア」達の考え方や彼らからのアドバイス、またそれらを受けた著者自身の実践・対策経験を基に解説されている。
※「一流エンジニア」とは、著者自身ではなく一緒に働く周りのエンジニア達のことを指している(まえがきから著者も言い続けている)。

悩みの内容や解決策としても、まあ「目から鱗だ!!!」というくらい画期的なものではないかもしれないが、著者自身の実体験が説得力を生み、またかなり具体的なので「なるほど。自分(職場)でもちょっとずつ試して改善していきたいな」と思える内容だった。

で、この手の内容を読むと、「国や文化が違うし…」「職種や業界文化的に厳しい…」的なことを感じて実践しない日本人が多いと思うが、先回りして「自分で変えられないということは他者にコントロールされているのと同じ。自分で自分を幸せにするように生きよう。」といったことも言及している。
※ちょっとインフルエンサーっぽく聞こえるけど、本ではもっと良い感じに書かれています


感想

まずアメリカの労働の文化や価値観が素晴らしいと思った。
メインの話題であるマインド「Be Lazy」にも通じるが、

  • 時間より内容→基本的に納期がない(できた時が完了日。どうしても間に合わなければ一旦リリースした後に対応。徹夜や休日出勤してまで間に合わせるとかない)

  • ただし時間内に最大限の効率化、達成のための努力

  • 過剰準備、価値のない仕事はしない→会議やプレゼンのために、何日もかけて準備しない

  • 簡潔さを目指す

  • リスクや間違いを受け入れるどんどん挑戦→ミスや失敗を推奨し感謝するマインド(「君のミスのおかげでその方法はダメだとわかった」的な)。

  • 思ったことはすぐやる→時間をかけて検討しても結果は同じ(の確率が高いからすぐやった方が良い)

  • 不確実性を受け入れる→思った通りにいかないのが当たり前のマインド

のような考えが全体的にあるので、そもそも土台日本よりも仕事がしやすいと思う。
日本では何かする度に「失敗を恐れ」、失敗しないために「検討や十分すぎるほど準備して時間を使い」、なんとしても「期限までに間に合わせ」、「思った通りにいかないと誰かの責任にする」。
文章に起こすと改めてひどい笑

日本でもITやWEBのベンチャー系ではアメリカのようなマインドが根付いている印象があるが、まずこの非効率な文化を変えていく必要があるなあと実感した。

ただ自分も慎重派で失敗を恐れなかなか手出しできない性格なので、「失敗は逆に多い方が良い」「挑戦しない時間がもったいない」「変更とか当然だから寛容に」といったことを意識していきたいし、自分が実践することによって周りにも浸透していっていけばと思う。

あと印象に残ったのは、

  • マルチタスクをなくす

  • 学んだことをアウトプットして定着させる

  • 人に質問や説明する時は簡潔に、情報量を減らす

  • クイックコール(わからないことはすぐに「口頭」で聞く)

  • 人に感謝し、感謝を伝える(レビューとかでもとにかく褒める)

  • そもそも仕事を楽しむ

などなど。「なんでも気軽に相談できる環境」を作るのも大事だなと改めて感じた。


また、最終章で「著者が一番伝えたかったのでは」と勝手に感じたことが、

  • 日本の致命的な「批判文化」

    • →いいところが9あっても悪いところが1あれば「悪い」と批判される

    • 異常な完璧主義が挑戦心を潰す(失敗やミスで作業者のやる気を砕く)

  • 日本はスピード重視。とにかく間に合えば良い。(みんな何をそんなに急いでいるのか・・)

  • 日本で力を持つのは「技術力がある人」ではなく「政治力の高い人」

  • 日本は技術者の扱いが低い

といった日本の悪習に対する警鐘。
読んでいると、「ほんとにこんなこと続けてたらそりゃ日本は伸びないわ・・」というのを改めて実感する。
※某SNSとか見ててもひどいのなんの・・あと直接本題に関係ないけど、みんな他人のことに過干渉過ぎるよね

文化をすぐには変えることは難しいが、自分も少しでもこれらの悪習を解消できるよう、「良いところをまず褒める(心の中ではなく伝わるように)」「改善点は感情抜きで指摘(いちいち悪態をつかない)」「常に余裕を持つ」「技術者、作業者を称える」といったことを実践していきたい。

以上です。読書録は初めてで至らない文章で恐縮ですが、お読みいただきありがとうございます。

恥ずかしながら著者の牛尾さんのことを存じていなかったけど、noteの記事も大変参考になるので、遡って読んでいきたい。

最後に、著者が提唱する「自分の人生や幸せに責任を持って、自分でコントロールする」というマインドで、日々精進していきたい。

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