記事のおまけ.txt 加水編

こんにち割水

加水の記事が公開されました。
結構面白い話だったのですが、カットされた部分も多いので残念でした。が、これは昨今のご時世的なものもあるので、結果良い判断だったんじゃないかと個人的に思ってます。

☆記事ポイント☆酒税法に触れるかどうか

酒にいろいろなものを入れると新たにお酒を造ったということになります(みなし製造)

例えば、日本酒に果汁を入れたらそこでリキュールの製造となります。そのリキュールに炭酸ガスを入れたら炭酸ガスリキュールの製造となります。その炭酸ガスリキュールの詰め残などでガスが抜けたらそれはリキュールの製造をしたこととなるんですね。

これは製造業者だけでなく実はみんなに適用されるものなので、酒販店さんが日本酒に果物を入れて再打栓して売ったらダメってことです。
ならばバーテンがカクテルを作るのはどうなの?という話になりますが、これはすぐ飲む事を条件に許されている特例措置という扱いになるようです。

ただ、もう一つポイントあって、Alc.20%以上の酒類への混和がOKという事になっているんです。つまり、ウイスキーベースのカクテルはOKだけど、Alc.20%未満の日本酒に混ぜ混ぜするのはダメという事です。
(多分、ここら辺が良くなさげなので記載を見送ったんでしょうな 俺もツメが甘い)
当然ここら辺はケース・バイ・ケースだ!自分で税務署に確認してね!

そこで、先日Alc.20%以上の原酒を使って再実験したメモをざっくり公開しておきます。

Alc.20%の原酒を19%,18%,17%,16%,15%,14%,13%,12%,11%,10%まで加水して唎酒して、その後、それにホワイトリカーを足して20%に戻して唎酒したらどうなるか?という話です。作業的には酒にホワイトリカーを規定量足してから割水です。


20%(原酒) しっかりどっしり 辛いが後口重厚
19% しっかりどっしり系 穀物系香りあり
18% しっかり系 きれいな感じの呑み口 エステル
17% エステル あー割水したなーという口あたり
16% 軽め 酸の感じ薄れる
15% 軽い 香りある 
14% 軽い 穀物系香り若干ある
13% 薄っぺらい なくはない味
12% 水 薄い
11% 香りのついた水
10% 水

ここからです。これをホワイトリカーでAlc.20%に引き上げるわけです。
実際の操作は原酒に規定量のホワイトリカーを足し、割水をして20%に戻します。
つまり、Alc.10%にした事にするサンプルはホワイトリカーをたくさん入れる分だけ加水も多いという事です。

19>20区 しっかりした味 穀物系
18>20区 甘感じる フルボディながら辛い
17>20区 張るような味 エステル感
16>20区 イソアミルアルコール、穀物様香 キレ系味
15>20区 エタノール臭 イソアミルアルコール
14>20区 エタノール臭あり 軽口だがソフトではない。イソアミルアルコール
13>20区 ソフト、軽い感じ 香り口に残る
12>20区 ペラい味で酒らしい香りはない 
11>20区 焼酎
10>20区 焼酎

いちいち20%で検討しなきゃいけないのが面倒ですが、17%の日本酒くらいの度数でやるとわかりやすくて良いです。が、こういうふうにログを残す場合は酒税法に抵触してますよという声もあるかと思いますので、ね。


こう、薄くなってしまう場合の対策として補糖や補酸が行われているよーという話も載せて、じゃあ乳酸足してみよう、じゃあクエン酸足してみようみたいな比較試験をしてみたりしたかった。
んで、補酸も燗酒で飲まれる事を想定するなら…とか、本醸造ではこういう味になるからこうこうこうしてー…とかも載せてね。

それじゃあ低アル原酒との違いは?という話に持っていきたかったんですよ。
つまるところ、力不足でした。

今回は薄い感じになりましたが、ご興味がある人はぜひ参考になさってください。おしまい。