POM
子供の時にみた情景って新鮮がゆえに時間が経つのも早いし毎日やることが経験したことないような高揚感を生んでくれて毎日が刺激的だったのを覚えている
自分自身が世界だと思えていた時怖いものなんてなかった
無邪気に遊んで好きな子ができたら意味わからないくらいにドキドキして恋を覚えていた
しかし順調だと思えていた少年時代は無残にも環境という残酷な刃で切り刻まれることになる
家庭環境が悪化し夫婦別々の暮らしをすることになり
母親側についていくことを選択した僕は定期的に変わる母親の彼氏の存在と居場所のないような環境に徐々に自分の中の世界が壊れていくのを実感していた
いつしか僕は感情を押し殺すことで環境になじむという自己防衛を身に着けていた
学校も変わりいつも一緒にいた仲間たちともしばらくお別れをすることになり
SHINからは手紙をもらった
「いなくなるなんて寂しいけど離れていても仲間だし、兄弟も寂しがっていただけど俺がたくさん遊んでいつかそっちまでみんなで会いにいくから待ってて。いなくなるのは寂しいけどそんなに遠くないしまた来月にでもみんなであつまろうぜ! SHINより」
確かに引っ越すことにはなったが住んでいる場所からはそう遠くなく車で20ぐらいの距離だった
でも少年時代の時の行動範囲はとても狭いのでなんだか県外にいくようなそんな気持ちでいっぱいだったんだ
引っ越すことに対してはそこまでつらくなかったし学級の友達もいるにしても結局いつもの仲間で遊んでいたのでそこまで気にはならなかった
最後にみんなで集まって手紙をもらう前にたぶん親にもらったであろうお小遣いでおりったけのお菓子を買って普段あまり飲むことができないジュースを飲んで気分は最高潮だったが終わって片付けをしているときに一気に悲しさが押し寄せてきた
どうして最高な毎日と最高の夕日が見える家を離れて全く知らない場所にいかないといけないのか
会う頻度が減るということは別々の道を歩んでいくわけで仲間の人生の中に僕はしっかりと入って体験を共有することができるのか
この前作った川も今度はもっと大きいのを作ろうって約束していたのにその目標は叶いそうになかった
僕は自分の世界の半分を失った気がして枕に顔を埋めながら声を殺してないた
流れる涙を自分の弱い部分だと信じ込みありったけの弱さを枕に染み込ませて記憶上もっとも美しい夕日を目に焼き付け強くなったような気がしていた
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