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Bacharacher Spätburgunder trocken 2014 / Ratzenberger

<タイプ>

<生産者>
Weingut Ratzenberger
<品種>
ピノ・ノワール 100%
<産地>
ドイツ・Mittelrhein
<価格帯>
3500円強

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<コメント>
ボトルでは初めてとなるドイツのピノ。この時点で主要生産国は一応US以外は一通りボトルで飲めたことになります(記事公開順が滅茶苦茶なんで、あれなんですが...)。 日々楽しく拝読している某著名サイトでかなり高い評価を得ていたことと、従前からドイツは挑戦したかったのでチョイスしました。だいたい美味しいワインをすぐ飲みきる傾向にあるので、この時点でネタバレ気味ですが、2日で飲みました。

開栓直後は熟れた赤から黒の果実感が中心。ドイツということで、もっと薄めのタイプかと予想していましたが、色は綺麗な赤紫、エッジがわずかに赤い、という具合です。香りはなかなかのボリュームで、熟れた感じもありますが、イチゴやアメリカンチェリーのような少し軽い果実香も。革のような感じと、スモーキーさも少し感じられます。味わいは甘みがアタックに少しあり、味わいの後半に酸味、最後に渋みといった感じ。一体感というよりは各要素に少し距離がある感じもありますが、ストラクチャーがあるとも取れる気がします。また少しスパイシーな感じもありますが、アルコール感はなくあくまでスムースです。また。開栓直後は温度が低い方が渋みが目立たず好印象でした。少し経つと、香りにクリームやカラメルのようなお菓子感がやや増したような印象。また味わいも一層柔らかくなり、温度が上がってもふくよかさが増して、好印象になりました。余韻は、上品かつこっくりした感じで、こちらも柔らか。
2日目は青みや革、鉄などの果実以外の要素が前に出てきた印象で、また黒糖のようなコクも感じられます。果実味とのバランスが良かった1日目と方向性は違いますし、少し粗さも感じますがこれはこれで良いなという感じ。味わいも渋みが落ち着いてエキスの甘さが際立ちます。ただ、さすがに2日目グラスに注いで少しして温度が上がると味わいのバランスが崩れた印象も。2人で飲んでいたこともあって早めの終了となりました。

<感想>
初めての本格的なドイツピノでしたが、これは前評判通りの素晴らしいワインでした。赤系、黒系、熟成の丁度中間あたりの味わい、やや重心低めの模範的ピノという感じ。今まで飲んだワインだと、フィサンのこれやリュリーのこれに近い印象です。複雑さや、前者と比べると妖艶さ、後者と比べるとミネラル感ではやや劣りますが、柔らかさやバランスで上回るという感じでしょうか。いずれにしろ、程よく熟れたヴォルネイやシャンボールミュジニー、ヴォーヌロマネ以外の村名格ピノに近い、という印象で、何も知らされずに飲んだら間違いなくブルゴーニュと答えると思います。位置的にも近いので当たり前な気もしますが、少なくともブルピノに近い、という触れ込みの南アやNZのワインよりはブルピノ、それも村名以上のもの寄りです。そう考えると非常にコスパの良いワインで、他のサイトでのコメントにブルピノなら倍の値段、というのはありましたが、まさにその通りの印象です。私程度の経験値では正しいか不明ですが、思った違いとしては、こちらの方がだいぶ柔らかく、硬さがないことでしょうか。これは飲みやすさ、熟成の早さに作用している一方で、フィネスやエレガンスという意味では一歩劣るのかもしれません。
柔らかさや適度な熟成感のおかげか、非常に食事に合わせやすいワインでした。定番ですが、ポン酢で食べる和牛のステーキにはバッチリ合いましたし、和食から軽めの洋食まで守備範囲に思います。ワイン単体で飲んでも美味しいですが、食事と合わせるとアシストにも回れる味わい(と価格)です。
飲み頃としては今飲み頃ピークという感じに思いますが、最初のピークに入って頂上、という感じで、このあとも好みによるでしょうがしばらく楽しめる気はします。7年で熟成感がはっきりと出始めているので、後3-4年のうちにどんどん熟成感の割合が増えていく感じではないかと予想します。

<得点>
86点 (84+2)

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