Animus Noir 2013 / Cambridge Road
<タイプ>
赤
<生産者>
Cambridge Road
<品種>
ピノノワール 100%
<産地>
ニュージーランド・Martinborough
<価格帯>
7000円前後
<コメント>
比較的評判のいいニュージーランドのピノに初挑戦。ほとんど経験のないニュージーランドワインです。ちょっと高級なやつをチョイスしすぎた気もしますが、4日間で飲みました。
開栓直後はチョコやパン、黒い果実。香りはほどほどで、色味は結構濃いです。飲むとストラクチャーがしっかりしていて、甘みはなくドライ。非常に陰性で、土やほこり、針葉樹の下草、腐葉土といったニュアンスが強いです。またあまりピノからは感じない独特のニュアンスがあったのですが、何の香りなのかいまいち掴めませんでした。鉄のニュアンスや少しの酵母感もあり、後ろにドライプルーン、前にチェリーやクランベリーがそれぞれわずかに。かなりの複雑性です。余韻は樽の感じがはっきりとしており、強く長いです。わずかに獣感やどことなく海的で海苔のようなニュアンスがあり、畑の位置を調べると海にかなり近いので勝手に納得してしまいました。後味的には砂糖菓子のような雰囲気も。また、温度が上がると香りがちょっと開いた感じはあって、木や森の印象が強まります。さらに時間が経つと、渋み、酸、甘みそれぞれの要素がはっきりしてきました。
2日目になると、1日目後半の渋みは抜け、強かった鉄の印象がまろやかになり、適度な熟成感が感じられます。また、シナモンのような茶色いスパイス感も。1日目はやや強すぎる嫌いがあった余韻がまろやかになったのもいいですね。反面もともとなかった果実味はさらに減退した印象。3日目は酵母感が前面に出て、醤油や煙、味噌のような印象と、最初に感じた海鮮感が不思議と強調された雰囲気に。4日目は瓶底であるためにとろみが強く、まろやか、甘やかでやわらかなワインに変貌。最後まで結構変化のあるワインでした。
<感想>
初めてのニュージーランドのピノでしたが、恐らく高価格帯のブルゴーニュ志向のワインをチョイスしたせいで完全にブルピノ的ワインでした。今まで飲んだ中では、Dom. Lefort Mercurey 1er Cru Clos Levequeに近い印象で、非常にブルゴーニュ的です。私のレベルではブラインドで出されたらブルゴーニュだと信じて疑わない感じがします。
全体的にはとても複雑性や変化に飛んだ魅力的なワインでしたが、果実感が中心にない感じ故か、樽感がやや作為的な故か、調和的ではない印象もありました。またそれを補う突き抜けた魅力も乏しいため、あと一歩という感じも。特に価格帯を考えるとマイナーアペラシオンの1er Cruは余裕で買える価格なので、その意味でも少し物足りなさは否めないかもしれません。
飲み頃という意味ではいい感じに飲み頃だったとは思います。ブルゴーニュの同じくらいの年代のものと比べると熟成速度が早いように感じます。南アのAtaraxia Pinot Noir 2014でも同じような熟成の速さを感じたので、やはりブルゴーニュ以外のピノはブルピノほどは長命ではない、ということでしょうか。
<得点>
80点
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