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Les Vieilles 2013 / L'escarpolette

<タイプ>

<生産者>
L'escarpolette
<品種>
カリニャン 100%
<産地>
フランス・ラングドック
<価格帯>
4000円強

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<コメント>
熟成された自然派赤、カリニャンも初ということでチョイス。4日に分けて5日間で飲みました。

1日目、開栓直後の香りのボリュームはかなりのもの。エステル系の香りと酸を感じる香り、甘やかな果実香がバリバリに香ります。とにかくボリュームがすごく、熟れきったフランボワーズといった感じで迫力があります。口にするとしっかりした酸がまず印象的。松や杉などの古い木材とクローブ、アニス的なスパイスが少し。続いて青畳のようなもう少し若い青さも出てきます。ここまでは良かったのですが、少し時間が経つと、あるいは温度が上がると青畳が結構主張してきて、さらにムレた靴下のようなオフフレーヴァーも出現。この日はとりあえず終了。
2日目になるとオフフレーヴァーはなくなり、酸も穏やかになって飲みやすくなりますが、自然派ならではの酵母感が非常に強く後味に出てきます。熟れたフランボワーズ、青畳、干し草、針葉樹にわずかなオリエンタルスパイス、そして後味にかけて圧倒的酵母感といった感じ。
3日目以降は酵母感が一段落して、酸味もかなりこなれたことで、旨味やミネラルがかなり支配的に。セメダインのような香りの梅かつお+木や土という印象ですが、冷涼感が基盤にあるのでエレガントさも健在でした。

<感想>
野趣あふれるザ・自然派赤という感じでしょうか。今まで飲んだ他の自然派赤と比べてもかなり癖が強目で、ダメな人はダメなんだろう、というワイン。しかしながら、熟成による一体感やエレガントさは確かにあって、魅力的なワインです。また旨味も乗っていて、食事に負けない個性もあるので、割と気軽に家庭の食事に合わせられる使いやすさがあるのではないかと思いました。
今まで飲んだ自然派赤と、いぐさ系の青さというのが共通している感じはあって、(赤)ピーマンやバナナではなく、ハーブでもなく、草系の青さというのが自然派赤のキーワードなのかもしれません。ただ、ピノ、ガメイ、マルベックなどは自然派と思われる生産者でもこの青さは感じなかった(ただ、それらは2010年代後半のワインなので熟成の影響かもしれませんが)ので、品種にもよりそうではありますが。いずれにしろ、今までの自然派赤と比べても最も鮮烈で、個性的なワインでした。
飲み頃的には香りが全開なので、まさに今飲み頃に思います。荒馬のようなイメージのワインなので、置いてどうなるのか想像が難しいですが香りからすると今がベストなのかもしれません。一方で、もしかすると酸味はもう少しおけばこなれて、さらにバランスが良くなるのかもしれません。


<点数>
79点

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