痔ろうになった話〜地獄の一ヶ月、そして苦労は報われる編〜

手術前痛いと言ったろう、


あれは嘘だ。


いや嘘ではないんだけども。

発症するより今回のほうが確実に痛い。痔瘻でシートン法を行う民は本当に気をつけたほうがいい。私は一ヶ月ベッドから起き上がれなかったぞ。




何度目かの地獄、始まる。


電車に乗ってやってきましたA病院。
新しいことをやるとの事で、半分緊張、半分わくわくといったクソザコナメクジ選手の入場です。

結果、ほぼ歩けませんでした。

思い出しただけで泣きそうだ。
痛すぎて、本当に痛すぎて体が震える。脂汗が止まらない。足が進まない。電車まで、家までの道のりが永遠に感じる程につらい。

何をしたかというと、
ケツに刺さった管を引っ張り上げて糸で結んでいく
という処置。
(たぶんだけど痔瘻っていう謎の管ができてるからそこの中に医療用の管を入れて引っ張り上げて羊羹を紐で切る感じでその痔瘻の管ごと肉をぶち切るってことなんだと思ってる)

その糸で結ぶという行為が痛いのなんの。
だってケツの肉を引きちぎる行為が行われてる訳だからね、痛いに決まってんだよね、ね?
骨折したときも、親知らずぶち抜きまくったときも、他にも怪我やらなにやらあったけど、そんなん比じゃない。
目視することもできないからより恐怖も煽られる。ありえんくらい痛い。あれより痛いことある?ってくらい痛い。

いつもの何倍の時間をかけて帰宅して、出来たことはうつ伏せに寝るだけ。他のことが全くできる状態ではなかった。

地獄の1週間目

普段横向きかつ丸まって寝るのだが、そんなケツの皮膚を引っ張るような真似はできない。
仰向けになって、1日中天井を見るのだ。
正直スマホを見るのも辛かった。座ることは絶対にできなかったので寝たままウィダー飲んで何度も気絶していた。
トイレに行くのも一苦労、痛すぎるけど尿意にも耐えることはできないからがんばって動いた…。
でもそのあとはすぐに仰向けになって死んだ魚のような目をしていた。たぶんそう。

幸い長期間の休みがあったので全てをそこに充てて、仕事が入ったらすいません無理です!!!と断って、その1週間を過ごした。


狂気の2週間目

病院にいくと順調らしく、さらに糸を絞ろう!となった。これは大体のシートン法レポにも書いてあった。怖すぎるよ。

「やるよ〜」

医者は無慈悲だ。

声がでないくらいに痛いけど逃げられない。
少しだけ緩めてもらったが、また歩くことが困難になってしまった。

また仰向けウィダー生活が始まった。まったく不本意な継続である。
脂汗が止まることはほとんどなく、ずっと不快だし痛いしなんで生きているんだろう…となる始末。
不潔にしていてはいけないのでがんばってシャワーを浴びるがお湯より涙のほうが多く流れていたと思う。痛い。

こうなってくるともうなんの気力も沸かなくて、空腹にも慣れたし食べたいものもないし〇〇しようとも思わないし絶望を通り越して無になっていた。
家族も心配しているので、無理して立食してみたり、部屋を徘徊するが一分保てばいい方。すぐに仰向けになって気絶してしまった。

こんなことになるなら安請け合い(?)しなきゃよかった。
そう思いつつも痔瘻は手術しないと治らないそうなので仕方ないと自分をなだめる。
他のシートン法体験レポでは「3日ほどで座れるように…」や「仕事には支障は出なかった」など書いており、私がやばいのか医者がやばいのか分からなくなった。やはりヤブ…??

とにかく2週間目もひどい痛みで、人生終了予告ラッパがプオーンと一吹きめくらいの気持ちだった。


闇が拭えぬ3週間目

また病院にいく。医者に寝たきりなんだがと言うと
「それやばくね?」
やばいわい。
体に悪いからちょっと緩めにしとくわ。と言われ糸を軽く絞られる。
なんとかなれー!の精神でもっと絞ってもいいですけど!?!?と言ったが流石に…との事で帰宅。2週目までに比べれば5%くらい痛みは薄かった。

この頃からようやく立食で3分ほど保つようになり、ウィダー&ポカリ&ごぼうと牛肉のしぐれ煮くらいの生活ができるようになった。
いたいので仰向け気絶がほとんどだが、稀に横向きになることも出来た。トイレに行くとしみるというかなんというか、別ベクトルで痛いのだが、それとも長い付き合いである。なんとかなれー!の気持ちは大事なようだ。



奇跡の4週間目

マジで奇跡が起きた。
さあそろそろか…明日が施術日だ…またあんな痛い思いをするのか…怖い…。と思い起き、トイレに行くとなぜか痛くない。

慌てた。管が…無い!?!?
誤ってトイレに流してしまったか!?いやでもトイレに行く前から痛くなかったような…?あれ!?もしかして早朝寝ぼけてトイレに行ったがあのときか!?!?

ついに、管が取れたのである。

とにかくなんかないかと思いベッドやトイレまでの道のり、パンツ、パジャマ、色んなところをみても管は見当たらなかった。1ヶ月半お付き合いした管を見てみたかったのにと悔しい気持ちはあったが、とにかく管が外れた喜びと謎の焦りで病院に向かった。


「あれ?とれちゃったじゃん、早いね」

医者〜〜〜〜〜〜!!!
強く締め上げすぎたんだろこれ!!と内心キレつつもきれいに取れたとのことで無事終了。痔ろうはなおったとのことでしたとさ。

ちなみに10キロ痩せました。そりゃ何にも食べてないからなぁ…。


以下、聞きかじった情報や自分の考え

原因はわからんと言われたがここ5年ほど切れ痔が続いていたことと軟便気味なのが原因では?

ケツに注入!みたいな軟膏塗らないでねとの事だったけど理由は知らん。とにかく無理に自分で解決しようとせずに病院に行ったほうがいい。病院の皆さんはケツ毛なんて見慣れてるから気にすんな。自分が恥ずかしいだけだから気にすんな。

安易に手術を受けないようにしよう、というよりちゃんと説明をしてくれるまっとうな病院に行こう。(肛門科と謳っている所は少ないからなにかこう…確立されてるのかな?と思ったら全て口コミ評価☆2とかなの、なんでだろうね。)

膿を出しちゃう人がいるらしいんだけどそれを続けて人工肛門つくる手前まで行った人が知人の知人でいたので本当にやめよう。

色んな方のレポ、マジで読んだほうがいい。私にはあまり参考にならなかったので今回チビチビと書いているけど〇〇を行った、とか〇〇日でこうなった、など大体の指標もわかるから私もあと〇日で…!と勇気をもらえる。
本当に参考程度に、がいい。管が枝分かれ、複雑化しているパターンもあるそうなので本当に人による。

とにかくみんなはならないように生きていこう!ならない方法は知らん!
なったときはちゃんと適切な手術、処置を受けてはよう治そう!そしてこの文がちょっとでも参考になればうれしいな、過去の自分が報われる気がするよ。

以上、痔瘻で苦しんだ人間のレポでした。
なにかあればまた書きます。


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