人生を変えた出会い
「この人に出会って人生が変わった」
「この作品に出会って人生が変わった」
その出会いが良くも悪くも自分の人生を180度変えてしまう。
そんな経験を少なからずしたことがある人が多いのではないでしょうか。
今回はそんな私の人生を変えた出会いの話。
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私にとって人生を変えた出会い。
それは当時中学2年生だった私が、ふとした瞬間に『ハイキュー!!』という作品を読みたいと思ったところから始まりました。
自分でもよく分からないのですが、何故か唐突に読みたい衝動に駆られ、寝ていた体を起こしその日のうちに本屋までの道のりを走って買いに行きました。
『ハイキュー!!』
それがバレーボールの話だということと、主人公がオレンジ髪の男の子だということ。
たったそれだけの情報で読み始めた物語は想像以上のものでした。
____ 目の前に立ちはだかる 高い 高い壁
その向こうはどんな眺めだろうか。
どんな風に見えるのだろうか。
” 頂きの景色 ”
おれ独りでは決して見ることのできない景色
でも 独りではないのなら、
見えるかもしれない景色____
1ページ開き、この文字を目にした瞬間一気に世界観に惹き込まれ、まさに自分の世界が開けた様な感覚でした。
たった1ページ読んだだけなのに鳥肌が止まらなかったことを今でも鮮明に覚えています。
それからというもの寝ることも、ご飯を食べることも忘れるくらい夢中で漫画を読みました。
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” きっと誰もが主人公 ”
何か巨大な悪に立ち向かう訳でもないし、世界を救う訳でもない。
” 高校生が部活でバレーボールをしている ”
僅かこれだけの事実にもかかわらず何故こんなにも惹かれてしまうのか。
それは誰もが主人公で、その一人ひとりのストーリーに激しく共感してしまうからだと私は思います。
当たり前ながらこの物語には様々なキャラクターが出てきます。
ですがバレーボールを始めたタイミングや動機も違えば、その中でも努力をし続けられた人、苦しくて逃げ出してしまった人。
その努力が実った人もいれば最後まで実らなかった人も不完全燃焼で終わってしまった人もいるし、監督やコーチ そしてマネージャーという立場で共に悩みながら戦ってきた人達もいる。
その一人ひとりのストーリーがこれでもかというくらい事細かに描かれていて、私達はそのキャラクターの人生に激しく共感し、必然的に応援してしまう。
自分の好きなキャラクターが点を決めたら、楽しそうにバレーボールをしていたらそれだけで嬉しいし、なかなか点が決まらず苦しい展開だったり、周りがどんどん上手くなっていくことへの不安や葛藤、それにもがき苦しんでいたら私達も同じように苦しい。
でも彼らが悩みながらも必死に頑張っている姿を見ると自分も頑張ろうと思う。
そんな風に何となく面白そうだという気持ちだけで読み始めた漫画がいつしか自分自身の支えになっていました。
受験で苦しかった時、部活で上手くいかなかった時、どうしようもなく悔しかった時。
__選手と言う立場ではなく、マネージャーという立場で競技にかかわると決めた時。
そのどれもに 『ハイキュー!!』が居て、3年間ずっと時を共にしてきました。
その日々は間違いなく青春そのもので私の宝物です。
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7月20日
ついに 『ハイキュー!!』が約8年半の連載に終止符を打ちました。
「嫌だ」 「終わって欲しくない」 「出来ることならずっと彼らのバレーボールを見ていたい」
どんな最後を迎えるのかという期待と楽しみの裏側にその気持ちがどうしても抜けなかったし、強かった。
けれど最終回を読んでその気持ちもどこかへ消えていきました。
約7年の時を経てオリンピックの舞台へ羽ばたく彼ら。中学 高校時代の因縁も、かつて一緒にバレーボールをやった仲間の想いも、バレーボールをやることの楽しさも全部背負って世界の舞台で戦う姿が、悲しい 寂しいではなくもっととてつもなく前向きな気持ちにさせてくれたのです。
まさにバレーボールは面白い、そして誰もが何者にでもなれると証明してくれたかのように。
最後の最後まで胸が熱くて、鳥肌が経って、涙が溢れました。
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「 ハイキュー!! が好き 」
これからも声に出して言い続けたいです。
最終回を読んで溢れ出したこの気持ちはこれからもずっと変わることはないでしょう。
そんな大好きな作品を3年間も追いかけられたことは私の人生において凄く幸せで一生忘れることの無い時間です。
私の人生を変えてくれてありがとう。
彩ってくれてありがとう。
連載が終わってもまだまだ彼らの物語は終わらないし、それは私にとっても誰にとっても同じでずっと心の中で生き続ける。
そしていつか私の人生を変えてくれたこの作品を初めて知った人が
「 ハイキュー!! 面白そうだな 」
「僕 / 私 もあんな風になれたらな」
よし 読んでみよう やってみよう
そんな風に過去から今、そして未来へ
これからもずっと繋がっていきますように。