見出し画像

目指せ!脳内にいる理想のわたし

昨年、写真スタジオでプロフィール写真を、メイクもセットで撮ってもらった。

つけまつげで化けさせてもらって、念入りに微妙な光の調整もして、何百枚も撮ってもらったら、メイクと光、ダブルでベールがかかる。どんなに素敵な写真ができるんだろう!

・・・期待は膨らみ過ぎた。


撮られ下手なのとそもそもの土台の問題は大きいのだが、それはちょっと脇に置いておく。

メイクさんは初めて会うわたしの顔を見て、彼女の解釈で魅力全開にしてくれたはず。フォトグラファーの方は、全力で表情をほぐせるようにして撮ってくれた。

結果、わたしの考える自分とはちがっていた。そもそも自分の思っている姿、鏡の中にはいるんだけど、写真では未だに見たことなくて、幻想に過ぎないのかもしれない。わたしはわたし、なのにまるで別人。写真は嘘なのか?

メイクは・・・これは嘘だろう。

少し前に、別のフォトグラファーの方に講座風景の写真を撮ってもらった。こんどは自分でメイクして。精一杯ツヤツヤに輝くメイクをして行ったら、テカッてるからと、脂を拭くように指示された。よかれと思って入れたハイライトだが、テカリは禁物らしい。

指示されたポーズは、講座ではあり得ないものなのだが、写真の中では成立するのだそう。実際、現場の雰囲気そのままの写真ができあがった。少し葛藤があったものの、プロの技を見た。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

講座でExcelの『表示形式』を説明するとき、いつもわたしはお化粧に例えている。

カンマをつけたり、小数点以下を見えなくしたり、たまに自分仕様に見た目を作ってしまうこともあるが、どんな体裁にしようとも、実際のデータは何も変わっていないのだ。表示形式は見た目に過ぎない。

そこは、春色の口紅をつけて乙女の気分になろうが、アイラインをくっきり引いてヘプバーンの気分になったとて、所詮わたしはわたしというのとおなじことである。

見た目に惑わされて「セルを参照して計算した結果がちがってしまう」と悩むビジネスパーソンたちに、「表示形式は、あくまでも見た目にすぎません」とお伝えしているが、日常では日々せっせとメイクして周りを欺いている。

本質は変わらないなら、せめてメイクの腕を上げて、鏡の中の、自分の思い描く虚構のわたしを目指して。

見出し画像は NIPPON_MARI さんのイラストを使わせていただきました。POPな浮世絵に心躍ります。茶髪が似合ってますよね!髪飾りもおしゃれなのに上下が切り取られてしまったのがとても残念。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?