見出し画像

共感が時に苦しいこともある。「あ、共感とかじゃなくて。」展を見てきました

昨日ホックニー展に行ってきたと書きましたが、

同時開催中だった「あ、共感とかじゃなくて。」という展示会にも行ってきました。


こちらは全く知らなかったのですが、ホックニー展のオンラインチケットを買おうとしたら「セット券」というのがあって。

これはどんなやつ?と思ってX(Twitter)で調べてみたら、よかった!という声があったのでせっかくなので行ってみました。


結果、
行ってよかった!!
です。


この展覧会には5人の作家さんが参加されているのですが、それぞれ趣向が全然違くて、とても面白かったです。


入ると、ブースに分かれた展示があり、ブースごとに小物が一つ二つ置かれていたりフェンスのようなものがあって、映像が流れているのですが、これがさっっぱり意味がわからないんです。

例えば、松ぼっくりとスコップの柄のようなものが置かれていて、映像では男の人が砂漠だかどこだかスコップを片手に鼻歌を歌いながらふらふらして、そこにはたくさん松ぼっくりが落ちていて意味ありげにアップになるのですが、男の人はスコップで穴をほってそこに水を入れて…

ってこの一連が長すぎて、オチが見えなくて私は途中で脱落しました…。


この作品は「架空の仕事」がモチーフとなっているのですが、一体なんの仕事なのかもわからないし、どうしてそうなったのか、何が言いたいのか、さっぱりわからないんです。

解説に、「人はわからないものを理解しようとして、納得したがる」というようなことが書かれていました。(多分文言は違いますがそんなニュアンスだったような…)

なるほどと思いました。
理解して納得して共感しようとするな、と。


また別の方の作品で、約3年間引きこもっていたことがある作者が始めた「アイムヒアプロジェクト」が印象に残りました。

引きこもりの方々が同じ日に撮った、自分の部屋から見えた月や空の写真が並んでいるんです。


空の写真たち

ここにはいない誰かも同じ月を見上げている

あなたはこの展示会に来れているけれど、ここに来れない人たちがいる。そんな人たちもいる社会に生きているということを感じてもらいたい、ということでした。

この写真の後ろのガラスのショーケース(かなり広い部屋の壁にある)には中にカーテンが引いてあり、隙間から覗く形になるのですが、そちらには引きこもりの方々から送っていただいたという部屋の写真がありました。

色々な部屋があって、そこには実際住んでいる方がいて…


つい共感しようとしてしまうけれど、共感が時に人を傷つけたり、上辺だけの共感が虚しかったり、共感してほしくない時だってあるんだよな…。


自分は共感してもらうと嬉しいので、共感って悪いことだけじゃないと思うんですけどね。

自分じゃ気づかなかったことに気づかせてもらえる、深い展示でした。

こちらも明日までの開催ですー。

居場所活動で子どもたちへ配る飲み物やおやつの材料を買わせていただきます!