見出し画像

むかしばなしをしよう

【文字数:約1,000文字】

 noteを開くと#コミケのタグが付けられた記事をピックアップしており、懐かしさに一筆でもと興がのった。

 たぶんnoteを利用している層は、俗に「ヲタク」と呼ばれる者たちとは縁遠いであろうから、そんなnoteが先日のTwitter、現Xが障害で使えなかった際に「つぶやき」の機能を喧伝したのは、何かしらの意図があると思っている。

 さすがに両者の得意とするものは異なるだろうし、和製Fac〇bookに思えるnoteが、Xの良くも悪くもカオスな点を模倣する必要はない。


 今年のコミケ102は明日、明後日の2日間の開催ということで、とりあえず前半は台風の影響を受けずに済みそうだし、翌日も訓練された参加者であれば「むしろ燃える」などとうそぶくかもしれない。

 かくいう私はりんかい線の始発にて、3日間続けて参加したことがある古参に分類される人間で、おそらく最も勢いがあった時期を見てきた気がする。

 新たな消費者として認知されたヲタクにすり寄ろうとする企業が集う、あの年の会場に居たのは奇跡かもしれない。ちなみにテレビの取材を受けた。


 とはいえ、参加者それぞれに異なる思い出があるからコミケなのであって、ある人はサークルを回ることに情熱を燃やし、またある人はコスプレに命を懸けるなど、それこそ十人十色な楽しみがあるだろう。

 私は付き合いで始発組から参加した人間だけれども、次第に参加することが楽しくなっていき、最後のあたりは国際展示場の近くにバイクを止め、あの特異な空気を味わうのが楽しかった。

 入場は無料であるから戯れにサークルスペースを歩き、混みあうことが予想された壁サークルではない島を眺め、なぜそんな本や物品を作ったのかと、机を挟んだ制作者に訊ねるのは得難い経験だ。

 コロナ禍やオリンピックもあってwebに主戦場が移ったのは理解しているけれど、やはり自分が作ったものを直に売る体験は、今だからこそ代えられないものだと思う。


 コロナ再燃も危惧されるけれど、顔と顔を合わせる最大級のイベントはコミケであり、今後は海外からの参加も復活すると思う。

 欧州では戦争が続いている現状もあり、彼の国に想いを馳せつつもヲタクは世界平和を成す一助になるのだと、その生き様をもって示して欲しい。

 今や主戦場を眺めるだけで疲れてしまう老兵だけれども、かつての戦場に立つ兵士たちが健やかに、そして楽しく過ごしてくれればと願うばかりだ。



なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまにしますか?