消費者の検索動向に合わせたウェブ集客の対策
今や私たちの生活に欠かせない「ウェブ検索」。以前は主にパソコンで、Yahoo!やGoogleといった検索エンジンを使ってホームページやウェブサイトを検索するのが主流でした。しかしスマホの普及が爆発的に進んだ今、検索の方法は多様化していて、お店やサービスを探すお客様もホームページだけでなく、SNSや地図アプリ、レビューサイトなど、インターネット上にある様々な媒体を利用しています。
そのためウェブ集客を行っていく場合、ホームページだけでなく、たとえばTwitterやInstagram、Googleマイビジネスなど、利用者の多いサービスに露出することが重要になっていて、SEO対策(検索エンジン最適化)だけでなく、MEO対策(マップエンジン最適化)やSNS活用に力を入れる店舗や企業が増えています。さらに近年、VSO対策(音声検索最適化)も注目され始めました。
変化が激しいインターネットの世界で恩恵を得られるのは常に先行者です。消費者行動の変化をくみ取って、今後の検索動向に合わせたウェブ集客を少しでも早く進めていくことが重要です。
今回は「検索」そのものについて詳しく掘り下げて、なぜ今のような検索の仕組みがあるのかを確認しながら、今後の検索がどうなっていくのかを考えていきましょう。
1、消費者の検索の変化
◇パソコンで繋がっていたインターネット
インターネットが登場した1990年代後半から2000年代後半にかけて、多くはパソコンを使ってインターネットに接続し、検索もパソコンの画面を見ながら行っていました。そしてインターネットはこの検索を基盤に社会に急速に浸透していったのです。
◇検索を制覇したのは?
私たちは検索で必要な情報を最短で見つけ出すことを望みます。検索キーワードを入力し、基本的には検索結果を上から順に見ていくことになります。
検索の表示順位を決めるプログラムをアルゴリズムといいます。このアルゴリズムの分野で世界を制覇したのはご存じGoogleです。1996年にアメリカで誕生したGoogleは投資家からの資金調達に成功し急速に成長。IPO(新規上場)したのが2004年。その後15年間で株価は13倍にまでに成長しました。20年前の当時、ただ情報を並べるだけのサービスにここまでの可能性を感じた人は少なかったでしょう。しかし現在Googleの検索エンジンは世界で実に88%のシェアを占め、年間の検索数は2兆回にもなります。
◇スマホの登場で常にオンライン
2008年7月、日本で初のiPhoneとなる「iPhone 3G」が発売されたのを皮切りに、スマートフォンが急速に普及し始めます。このスマホがインターネットの概念を大きく変えることになりました。
今までインターネットに接続するには、自宅のパソコン、職場のパソコンにLANケーブルを繋いだ状態で接続していました。それがスマホの登場により、いつ、どこにいても私たちは常にインターネットに接続している常時オンラインの状態になったのです。
これに合わせて、インターネット上を飛び交うデータ量(トラフィックといいます)も増加の一途を辿ります。
※トラフィックの推移
◇Googleもスマホ対策を実施
Googleは検索順位を決める仕組みであるアルゴリズムを開発していますが、ユーザーが求める情報を画面に表示するように、また適切な順位で表示されるように、常にアップデートを行っています。
そのGoogleもこのスマホの普及に着目します。これまで決まった場所からパソコンでGoogleを使って検索していたユーザーが、今度は外に出て、どこからでもスマホで検索をするようになったのですから、Googleもそれに合わせ改良をする必要が出てきたのです。
◇検索ワード+位置情報が生み出した【近くの●●】検索
Google含め、多くの検索エンジンはそれまで検索キーワードとホームページの情報を紐づけし、検索順位を決めているだけでした。しかしスマホによって、皆がいろんな場所から、【近くの飲食店】【近くのガソリンスタンド】【近くのコンビニ】など検索するようになったのです。
もし【近くのコンビニ】で検索をして、今いる場所から3㎞も4㎞も離れたコンビニが出てきたら。適切な情報とは言えません。そこでGoogleは検索する人の位置をGPSによって認識して、今いる場所からの距離を重視した検索結果を表示させるプログラムを組み込んだのです。
このGoogleの対策によって、現在は【ランチ】などで検索すると今いる場所の周辺の飲食店などが優先的に表示されるようになっているはずです。こうしてGoogleはスマホユーザーが快適に検索できるよう、改良に成功したのです。
2015年Googleは、Googleの利用者はついにスマホがパソコンを超えたと発表しました。もう検索はスマホでするのが当たり前になったのです。スマホの登場から10年もたたないうちにこれだけ大きな変化が起こったのです。
◇もう道に迷うことはなくなる?
さらにこれから先、道に迷う人はいなくなる、そんな風に言われています。
2005年Googleマップが誕生しました。今やスマホには当たり前に地図アプリが搭載されています。Googleマップやアップルマップを開けば、自分がどこにいるのかすぐに分かります。そして近くのお店や駅が知りたければ、そのままマップで検索をする、皆さんもやっていますよね? ただGoogleやアップルマップは世界中をマッピングはできましたが、それだけでは不十分でした。そのマップに世界中のお店や施設を正確な位置に表示させる、そのための対策をさらに進めていきます。
すべてではありませんが、今マップを開くとどこにいるかが分かると同時に、周りに何があるのか、それも分かるようになりました。これもスマホがもたらした大きな変化といえるでしょう。
こうして位置情報を組み込み、ユーザビリティ向上に成功したGoogleですが、もう一つ新たな問題が生まれてきました。
◇増え続ける悪質サイト、フェイクニュース
スマホの登場により、いつでもオンラインの状態になったことによって、インターネットに流れる情報の量(トラフィック)がさらに増えていきました。
インターネットの情報量はこの10年で5倍以上に膨れ上がりました。ただ情報は多ければ多いほどいいわけではありません。皆さんも自分の求める情報がなかなか見つからない、そんな経験ありませんか?
情報があっても探し出せなければ意味がありません。そして何より、ユーザーを騙す目的で作られる悪質サイトも急増していったのです。この悪質サイトの増加に一番苦しめられたのは、検索の仕組みを提供しているGoogleでした。Googleを使って検索をし、最初に表示されたサイトを何気なくクリックします。それがもし悪質サイトだったらGoogleの検索エンジンは信頼されなくなります。それを防ぐため、Googleはこれまで何度もこの悪質サイトを排除するアルゴリズムの改良を重ねてきましたが、次から次へとその網をくぐる新たな悪質サイトが登場し、終わりの見えない戦いをし続けているのです。
しかし同時に、多くのメディアも悪質サイトへの注意を促すようになり、それによって検索するユーザーの意識も変わっていきます。フェイクニュース(デマの情報)が横行する中で、検索して出てきた情報に少なからず懐疑的な態度をとるユーザーが増えていったのです。
では、インターネットで情報を探す私たちにとって、一番信頼できる情報とはどんな情報でしょうか?信頼している情報源をいくつか思い浮かべてみてください。
例えば知っている有名人が、【このレストラン、とてもおいしいです】とインスタグラムで上げていたら?
例えば自分の知り合いが、【あのお店、行ってみたけど、期待外れだった】と話していたら?
他のどんな情報よりも信頼できませんか?
そう“クチコミ”です。昔からクチコミの影響力はマーケティングの世界でも認められてきましたが、その影響力がインターネットによってより強まったのです。そしてそのクチコミの影響を一気に広めたのが、SNSだったのです。
◇SNSの登場
インターネットは企業や公共機関の情報配信の場から始まりましたが、一般の人自ら情報を配信し、それに対して他の人が反応する、そんな双方向のコミュニケーションの場へと進化を遂げました。その媒体として使われたのがSNSです。
最初はブログや掲示板から始まり、その後FacebookやTwitterが登場、さらにInstagram、そしてYoutube。
そのコミュニケーションの形も、テキストから画像、音、動画、ライブ配信などに変化しながら社会に浸透していきました。今や私たちは一日に何度もFacebookを開き、Twitterでタイムリーな情報を得て、Instagramで今の流行を知り、Youtubeで泣いたり笑ったりする。そんな一日が当たり前になってきています。
そしてSNSを通して情報はさらに多くの人に共有されるようにもなり、私たちは情報を得るための手段として、“検索して自ら探すこと”に加え“人から与えてもらうこと”もうまく取り入れたのです。
検索における消費者行動の変化についてお伝えしてきました。
パソコンからスマホ検索が主流になり情報量が増えていくと、信頼できる情報が必要とされるようになった。そこでクチコミが重視され、SNSを通して多くの人に共有されるようになった今、消費者(ネットを利用する人々)は「検索して探す」だけでなく、「情報をもらう」ようにもなった、ということです。
検索動向が変われば、企業や店舗もそれに合わせた対応をしていくことが必要になります。はこうした状況の中、具体的に何をしていけばいいのでしょうか?ではこうした状況の中、具体的に何をしていけばいいのでしょうか?
ここから先は
¥ 100