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出産が痛かった話

さっきふと、去年の今頃は入院してたんだっけなと思い出した。
この投稿は出産がしんどかった記憶のお焚き上げが目的です。
破水が先で促進剤利用の誘発分娩。無痛分娩、吸引分娩、会陰切開はしたものの分娩所要時間約8時間で母子ともに健康の安産でした。
2020年緊急事態宣言真っ只中、夫も含め立ち会いも面会も一切禁止でとても心細い出産だった。見出しの画像は産んだ日の夕食。

出産前日、破水

無音の破水がスタートの合図だった。
破水って、パチンって弾ける音がすると聞いていたのだけど、全く無音だった。そういうこともあるのね。
妊娠後期に入ってから毎日毎日眠くて仕方なくて、待ちに待った産休に入ってクッキー焼いたり寝たりケーキ焼いたり寝たりしていたある日の午後、ソファに横になっていたらチョローっと水が出た。尿漏れかと思って誰が見ているでもないのにちょっと恥ずかしい気持ちになりながらトイレに行って、しゃがんで立ち上がってパンツ履いてトイレのドアを閉めて一歩踏み出した瞬間、明らかに尿漏れではない量がダバーっと出てようやく、「あ、もしや破水ですね」と気付いた。人生初破水。未経験でも破水だって分かるものなの?と疑問だったのだけど、量が量だったのでさすがに分かった。音がしたりしなかったり、量が多かったり少なかったり、破水にも色々あるらしいけど比較的わかりやすいやつだったのかな。
一歩ごとにじゃぶじゃぶ水が出ることに焦りつつ、破水か陣痛が起きたらまずこれを読むぞ、と用意しておいたファイルを引っ掴んでお風呂場に行った。水ダバダバでもいいエリア。まだお腹は痛くない。陣痛はまだ来ていない。胎動は?ある、よかった。いつ陣痛くるの?いつ痛くなるの?怖くて手の先が冷たくなる。深呼吸して、お風呂場で水浸しになったパンツを下ろしたら少し出血していた。そのまま病院に電話。多分破水なんですけど、と言ったら検査するから病院来てねとのこと。まだ37週目、まだまだ産まれないと余裕をかましていたから、心の準備が追いつかない。怖い。怖いよぉぉぉぉぉ。泣いている場合ではないので2階で在宅勤務中の夫にLINE電話。お風呂場に呼んで、産褥パッドLサイズ(生理用ナプキンの親玉みたいなサイズだった)をとりあえず持って来てもらう。午前中に洗濯乾燥し終わった山がすぐそばにあったので、パンツはそこから取った。あとで片付けようと思ってたんですよ。これでお風呂場から出られる。陣痛タクシーは登録していたけど、幸運にもその日は家に義実家から借りたままの車があって、夫も仕事を抜けて病院に連れて行ってくれるということなので入院バッグに最後の荷物を詰めて出発。産褥パッドLサイズのおかげで股から水がじゃぶじゃぶ出ていても動けちゃって(水を垂れ流さずに動けるという意味で)、2階に退院用のワンピースとか取りに行ったら夫が「だだだ大丈夫なの??」と心配していた。あの時はお腹も痛くなかったし、動けたのよ。行きがけにコンビニで飲み物を10リットル分くらい購入してもらった。面会不可&病院内の売店は病棟の外にしかなくて買いにいけないと言われていたから。
病院について、入院になったら(多分なるけど)荷物持ってきてね、と言い置いて貴重品だけもって身軽に救急出入口からスタスタ歩いて病院に入った。2020年5月11日、緊急事態宣言真っ只中。産院は外来患者数も絞っていたし、付き添いは小児科のみ許可、みたいな感じで入館制限はかなり厳しかった。いい病院だよね。寂しかったけど仕方ない。
助産師さんが迎えにきてくれて産科病棟に車椅子で入って破水しているか検査。診察台に登ろうとしてまたジャバジャバ水が出て、それを見た助産師さんがもう検査するまでもなく破水ね、と言いながらペロッとリトマス紙みたいなやつで検査してくれた。入院決定。子宮口はまだ全く開いていなかったんだけど、一旦破水してしまうと感染症のリスクが上がるし、陣痛が起きなくても促進剤使ってお産にしちゃいましょうねということらしい。ねぇ陣痛いつ来るの怖い。
病院の出入口ですごいあっさり夫とバイバイしたのだけど、この時点で私は産科病棟から出られない身になっていて、このあと退院まで会えなかった。寂しかった。ハグとかちゅーとかしておけばよかった。動揺していて二人ともそれどころではなかったのだ。

破水から1時間後、入院

入院の荷物は助産師さんが受け取りに行ってくれた。入院手続き諸々は夫が済ませてくれた。早め早めに書類を整理しておいた私、GJ。夫が在宅勤務中だったことは幸運だったし、仕事を中抜けして対応してくれたのもありがたかった。感謝。
18:00夕飯。質素。完食。着替えますか?って何度も聞かれたがそもそもパジャマで来ていたのでそのまま。
19:00NSTだっけ?お腹にモニターつけて観察。赤ちゃんは大変元気でらっしゃる。よかった。少し腰が痛いような気がする。
姉から、促進剤痛いんだよね、がんばれとメッセージ。無痛分娩だからきっと大丈夫。怖いなぁ。
ここから先はいつ陣痛が起きるか分からないし、胎児の状態も急変するかもしれないから何かおかしいなって思ったらナースコール呼んでね!と言われて消灯。妊娠してからずっと体がおかしいんですけど、「何かおかしい」ってどれのことなの。怖いこと言わないでよ。ゆっくり眠れる最後の晩だからぐっすり寝てね、とも言われたんだけど、胎動があるかどうか気になってほとんど眠れなかった。30分〜1時間おきに胎動チェック。こちらの心配をよそに赤ちゃんはいつも通り、お腹の中でしゃっくりをしたり蹴ったり回ったりしていた。無痛分娩を希望していて翌朝から絶食を言い渡されていたので日付けが変わる前に持参したクッキーを食べた。

産んだ日、促進剤で陣痛を誘発

4:00
点滴用の針を刺される。ぐっすり寝てね、と言った割に朝早すぎないか。針が太くて地味に痛かった。胎動は激しいしお腹も減ってきたけど、朝食から絶食。はらへり。明け方から軽い生理痛みたいな痛みはあって、いつ痛くなるの?いつ陣痛になるの?とヒヤヒヤしながら朝を迎えた。
6:00
LDR室に移動。あと分娩着?に着替えたり。
7:05
診察、子宮口1cm。あ、やっぱこの生理痛みたいな下腹部痛は陣痛の端くれだったのね。昨日も思ったけど、内診の力強さがえぐい。フィストファックというワードが頭をよぎる。まぁ、後から思い返せばまだ序の口だったんですけどね。
7:15
さっさと進めちゃいましょうってことで、促進剤アトニン投入開始。いつ痛くなるんですか?って聞いたら、わかりませんってスッパリ言い切られた。促進剤って、人によって効き方が全然違うんだと。コップに水を注ぐような作業なんだけども、人によってコップに最初から入っている水の量が違って水が溢れるタイミングは分からないんです。様子を見ながら量を調節していきますね、と。実際は量や時間についてもっと詳しく数字込で説明してくれた。丁寧な説明は安心感をもたらす。ところで夕飯は食べられますか?って聞いたら、返事の代わりに無理かな〜って表情を返された。初産の平均所要時間は14時間。長い。お腹すいた。
7:20  痛い。すでに痛い。早くない?
7:30  痛い。陣痛アプリ起動してみる。
7:35  痛い。マスクつけてくださいだって。コロナァ!!
7:40  痛い
7:43  痛い
7:47  痛い
待って、痛みの間隔が短くなるの早くないか。痛い。少しでも痛くない姿勢になりたくて助産師さんに聞いてみる。あぐらかくとラクかも、と言われて試すもむしろ激痛で断念。側位でバー掴んでるのが一番マシだった。

7:59
めっちゃ痛い
痛みのレベルが一気に上がってきて、恥骨の痛みがすごい。恥骨をハンマーで打たれたような痛み。打たれたことないけど。もう折れたのでは?骨盤も痛い。痛みと気絶を繰り返して悠久の時がすぎたような気がしていたけど時計見ると5分とかしか経っていない。世にも奇妙な物語の懲役30日を思い出した。痛みでイライラしてくる。1分間隔の陣痛の合間に夫にLINE。なんでここにいないんだよ痛えよせめて横にいろよ助産師さんのさすり方は神ずっと横にいてくれ。LINEする余裕はすぐに消失した。「産むのがんばるから育てるのがんばって」と託す。
無痛分娩教室で子宮口3〜4cmくらいまでは麻酔入れずに頑張るのが良いと聞いていたからそこまで頑張るつもりだったけど痛すぎてまじで無理だった。骨折とか歯痛とかとっくに超えてる。気絶の合間にほんとに痛いんです麻酔入れてくださいもう無理です耐えられないヤダヤダ痛いって訴え続けるも、「まだ2cm」「まだ開いてない」「早く入れすぎると陣痛が遠のいちゃうからもう少し頑張って!」となかなかいれてもらえない。希望したタイミングでギブアップできるって言ってたじゃん!嘘つき!泣きべそをかきながらベッドのバーを掴んで呻く。痛くて息を止めると「赤ちゃんに酸素いかなくなっちゃうから呼吸して!」と指導される。マスク外していいですか?あ、だめ?もーーー。いちいち赤ちゃんを人質にとるなよわかったよ呼吸するよ痛ァァァいいいいい。赤ちゃんの鼓動も私の酸素濃度も機械でモニタリングされているので、マスクで苦しいような気がしても気のせい大丈夫ってことらしい。赤ちゃんの頭のハチがやや大きめで、骨盤に突っかかってるのかもーなんて言われる。帝王切開は嫌です頼むすんなり出てきてくれ。途中、陣痛では死なないからみたいな慰めをされる。知らんけど精神は死ぬだろ痛えよ殴るぞ。3cmでやっと麻酔科医を呼んでもらえた。早く!!!1分間隔で気絶してるっつーの!!硬膜外麻酔怖い。痛くて全然丸まれない。動かないでねって言われても腹が痛イイイイ。

麻酔最高

10:30
麻酔すっごい。痛くない。圧迫感がちょっとあるくらい。え、麻酔すごい。子宮口5cm。3cmまで待ってる間に5cmになっとるやんけ。ひゃー、痛くない、すごい。余裕が出て夫にLINEするも既読にならない。何してるんだ?(仕事です)
助産師さんの他にお医者さんもたまに見にくる。今日の産科病棟担当です、と若い男性のお医者さんが2人。あと、ずっと検診してくれていた女医さんも様子を見にきてくれた。麻酔科医も女医さんだったし、退院するまでに会った男性は清掃の人含めてもこのときのお医者さん×2のみだった。入院中24時間全身はだけまくりだったから同フロアに男性がいないのは余計な神経を使わずに済んですごく良かった。助産師免許を男性にも、なんて話があるけど私は女性のみに限定し続けてほしいなぁ。男も産むようになってから変えて。
麻酔が効いてからは穏やかな時間。CDかけますか?とかアロマありますけど、とか時々聞かれる。助産師さん優しいなぁ。しかしマスクしてるのにアロマを勧めるとは?麻酔科医の人が効き具合をチェックしにきたり助産師さんが子宮口の開き具合をチェックしにきたりする。相変わらず内診はワイルドだけど、麻酔が効いていて痛くない。ウトウトする余裕さえある。24時間無痛分娩対応ってとこで病院選んだからね。よかった。12万円課金価値十分あった。家族にLINEしたら、LINEする余裕あるんだ?!と姉に驚かれる。自然分娩×3を乗り越えた姉、まじ化け物。3cmですら私にはトラウマ級だった。

11:50
子宮口7cm。麻酔を入れたことによって進みがゆっくりになったらしく、促進剤を足したりしていた。ええよええよ、麻酔効いてるのでね。ところで夕飯は食べられますか?お腹すいた。ワイルドに内診されすぎて羞恥心がどこかへ外出。子宮口○cmって完全に手の感覚で言ってたのね。すごいな。スタッフは部屋を出入りするたびに手袋やマスクやエプロンを使い捨てにしていて、そりゃー必要だし足りなくなったら困るよなぁ、と思った。この頃はコロナ禍でマスクが薬局店頭から消えた時期。医療従事者の安全は最優先で守られてほしいと思った。あぁ、いちごシャーベット食べたい。

13:00
子宮口全開。麻酔を入れている割に進みが早かったね、麻酔入れる前にぎりぎりまで頑張ったもんね偉いね!と助産師さんが褒めてくれて泣いた。椅子が変形した。さすがLDR室。ここから3時間以内に産まれるよ!と言われる。へー、って思ったけど、たぶん麻酔の関係もあって全開から3時間以内に終わらせるって決めているんだろうね。病院によるのかな。いきみ方がさっぱりわからない。陣痛の圧迫感はあるからタイミングはわかるんだけども、どう力を込めたものかよくわからない。夫がLINEに気付く。いきむ合間にLINE。なんか、全然いきめてないんだけど助産師さんがやたら褒めてくれる。そういえばバースプランに「褒めてください」って書いたわ。バースプランちゃんと徹底されているんだなぁ。すごい。ずっと痔が気になっていて助産師さんに抑えていてもらった。助産師さんはなんでもやってくれる。神。

吸引分娩でスポーン

15:00
なかなか出ない。赤ちゃん降りてくるペース的に3時間超えちゃいそうだから外からちょっと助けるねー、と吸引分娩の準備が始まる。やっぱりいきめてなかったんですね。すみません。
急にスタッフが増えて、空気が変わった。それまでせいぜい助産師さん2人くらいだったのに医者×3、麻酔科医×1、助産師×6くらいがバタバタ出入りして準備が進む。天井が開いてライト出てきてかっこよかった。ライト眩しい。お医者さんは1人が会陰切開(切らない選択肢はなくて右か左かしか聞かれなくて心臓がヒュッてなった)、1人が赤ちゃん受け止め、1人は台に乗ってお腹を上から押す係。吸引分娩の機械も切開か受け止めの人がやってたのかな。検診の担当医が受け止め担当だったのは覚えている。女性で、手が小さかったからか?先生や助産師さんたちはとても優しくて、全てを丁寧に落ち着いた声で説明してくれるんだけど、いよいよだ!って空気が怖くて手が震えた。吸引のやつ突っ込まれる瞬間、体の中からゴリゴリゴリ!って音が聞こえて血の気が引いたし思わず悲鳴をあげた。下を向いたら自分のお腹越しに先生の両手が自分の中に入っているのが見えた。おいおいどんな広がり方だ。「麻酔なかったら相当しんどいよこれ笑」と言われた。いや麻酔あっても痛いよどんだけしんどいのよ。麻酔科医が麻酔を足してくれたけど痛かった。恐怖と痛みがごっちゃになっていたのかもしれない。呼吸も浅くなる。パニック状態で目瞑りそうになっていたら、助産師さんが「大丈夫だよ!目瞑るより私の方見て!息吸って!吐いて!手も握ってるからね!大丈夫だよ!」って声をかけてくれた。やだもう好き。恋かな。握り潰す勢いで助産師さんの手を握って、最後は3いきみで産まれた。おめでとうございますって部屋にいる全員が一斉に言ってくれたのは覚えている。これがとても嬉しかった。赤ちゃんは産まれてすぐちゃんと泣いた。ちっさ!2640g、元気な男の子。ほえぇーほえぇーって泣いていた。
産まれる瞬間は夫と電話繋いでいいですか?って聞きたかったんだけど隙がなくて聞けず、結局繋げなかったことは今回1番後悔している。産声を聞かせたかった。かわいかったんだよ。もはやあんまり覚えてないけども。
分娩ラストスパートは時間にしたらたぶん10分もかかっていないと思うけど、人生で1番怖い体験で、産後しばしば夢で見て飛び起きるくらいだった。産声の記憶よりその瞬間の恐怖の方が圧倒的に濃く覚えてしまっていてちょっと悲しい。産声録音したかったな。

産後ハイタイム

股は切られるし骨盤は折れたんじゃないかって音してたが、とりあえず産まれた。16時ちょい前くらい。本当に子宮口全開から3時間以内に終わった。夫や家族にLINE。カンガルーケアしたり写真撮ってもらったりした。写真を撮るときだけマスクを外させてくれた。気付いたらスタッフが医者×1、助産師×2くらいに減っていた。撤収が早い。職人か。胎盤を出されるのも地味に痛いけどまぁ大したことはない。切ったところを縫ってもらいながら、吸引分娩と会陰切開って保険効きますか?とか聞いた(効きました)。抜糸不要な糸で縫ってくれたらしい。サンキュー。そういえば胎盤見せてもらえばよかったな。バースプランに見たいって書いときゃよかった。縫われながら会話ができるって本当麻酔の威力たるや。横で色々処置されてる赤ちゃんを見て、動いてる、かわいいなぁ、と呟いたら、赤ちゃんの指の数を数えていた助産師さんがかわいいですねぇ、とニコッと相槌を打ってくれた。かわいいと口に出さないとかわいく思えないんじゃないかと思って呟いたのだけども、人にかわいいって言われるとそうかも〜と緩く考えることができるようになった気がしたし、この会話で分娩の瞬間から続いていた緊張の糸がやっと切れた。手の震えが治っていく。赤ちゃん、聴力検査等に加えてオプションの検査やりますか?とか聞かれた。それ今聞くの?よくわからんけどやっといてください。8000円なら払う。ところで夕飯は食べられますか?

18:00
夕飯食べられるってー!やったー!もう少ししたら運んできますね〜って。やったー!もう産んでから2時間も経ってたのか。早いなぁ。陣痛を耐えているときと時間の進み方が全然違うわ。なんか胸元がかゆい。麻酔の副作用らしい。へー。夕飯がきたのでLDR室の椅子?ベッド?で食べる。いつの間にか天井のライトは仕舞われていたし、椅子も陣痛モードに直っていた。夫がTwitterで先にネタバレしたためお祝いメッセージが届き始める。おい産んだのは私だぞ先にツイートするなよ。順序とか礼儀とかあるだろ。ちょっと根に持ってる。SNS公開前に報告したかった人に個別LINEする。あんなに食べたかった夕飯なんだけど、気持ち悪くて全然食べられなかった。しかも青椒肉絲、細い。力の入らない手だと掴みにくかったし。ぶどうは食べられた。退院予定日を夫に伝えて、育休前倒しの調整とかしてもらう。いやー、前倒しで育休とってくれる夫&会社でよかった。疲労感がやっと出てくる。ちょっと発熱。赤ちゃんはケアが進むたびにオムツを履かせてもらったり産着を着せてもらったり装備が増えていって防御力が増していた。早速寝てるし。次に会う時は夫がパパ属性を手に入れているのかと気付き興奮する。好きな人に新しい属性が付加されるの、滾るよね。ていうかお腹の中にいたの、本当に人間だったんだな。実物を見るまでカエルか何かが入っているんじゃないかと疑っていた。めちゃくちゃ蹴られていたから脚力が強い何か。
陣痛開始ラインは痛みに耐えられなくなった朝8:00として、分娩所要時間は約8時間。初産婦にしては早くて、2人目は麻酔間に合わないかも笑、と言われた。そういうフラグはやめてくれ。輸血も必要とせず逆子でもなく、会陰切開のおかげで股の深刻な裂傷もなく、文句なしの安産と言われた。まぁ安産なんだけども、分かるけども、なんていうか、生死の境がちらつかない限り安産って呼称するの、どうなの。

20:00すぎ
立ってトイレに行く練習をして気を失う。

20:30くらい
ベッドの上で意識を取り戻す。吐き気がすごいけど吐けない。無痛分娩の人は麻酔切ってから下半身の感覚が戻ってくるまでは勝手に立ち上がらないように言い含められるし、最初のトイレは助産師さんが付き添う。これをクリアしないと導尿が取れない。助産師さんに肩を貸してもらいながらトイレにかがもうとしたところまでは覚えているんだけど、「気持ち悪くないですか?」「あーちょっと気持ち悪・・・・」って答えようとしたところから記憶がない。倒れたらしい。貧血ぱねぇ。そういえば医者のスクラブ真っ黒だったな。助産師さんの介助ありきのトイレトライだったので頭を打ったりすることはなく、明日まで絶対に自分で起きあがろうとしないでくださいね!と言われる。ちなみに出産時の出血量は770mlとそれほど多くはなく、貧血の値は7。入院時にすでにヘモグロビンの値が10で軽い貧血だったらしいがこれといって自覚症状はなかった。血が足りねぇ何でもいい食いもんじゃんじゃん持って来い。夕飯食べられなかったのが悔やまれる。

21:00
病室に移動、消灯。赤ちゃんは新生児室に預かってもらう。絶対に1人で起き上がらないでね、と再度言い含められる。お疲れ様、よく休んでねって。神経が昂っていてすぐ眠れない。ああ、やっと終わったのか。

21:45
助産師さん現る。さぁおっぱいをマッサージしてください!だって。よく休んでね、とは一体。麻酔が切れたのかあちこち痛み始めて、発熱もしていたのでロキソニンをもらって飲む。寝たままなので(まだ体起こしちゃダメと繰り返し念押しされる)めちゃくちゃ飲みづらかった。消灯後、薄暗い部屋で天井を見ながら1人で乳首を揉む姿はどう考えても滑稽だった。だって揉めっていうんだもん。胸元ははだけているのにマスクだし。マスク、息子のカンガルーケアのときに血がついたままだったし。うける。

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