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息子がお店の商品を割ったとき  しつけについて考えた

息子が店の商品を割ってしまった


その時僕は少し離れたところでフライパンを眺めていた 僕が現場に駆けつけたとき店員さんは

商品の代金はいただかなくて大丈夫ですので

と説明してくれた 僕は反射的に頭を下げて

本当に申し訳ありません

とお詫びした そこまではよかった



今日はしつけの話

こんばんは。パパリーマンです。今日はしつけの話。

まだ自分自身の整理ができていませんが、結論はこの3つです。

1.本当に伝えたいことは優しさだけじゃ伝わらない

2.子供は自分の鏡 しつけで親自身アップデートされる

3.考え中(おい!)


ちなみにめちゃ長いので最後まで見なくてもいいです。

興味のある方はお付き合いください。



1回表 割った直後のごめんなさいトライ  


息子は4歳 もう悪いことは悪いこととわかっている年齢   僕はその場ですぐに言った

店員さんにごめんなさいは?


すぐに謝ってくれると思っていた 普段ありがとうもちゃんと言えるし ごめんなさいもすぐに言える 悪いことをしたと認識できるようになってからは特にごめんなさいはすぐに言えるようになっていた


だがこの時は違った


息子はなにも言わない


目には涙を浮かべたままグッとくちびるに力を入れてじっと僕の胸元あたりを見つめている 店員さんの方は決して見ようとはせず それでいて僕と目を合わせるでもなく 一点をジッと見つめたまま固まっていた 僕は

ここは譲れない ごめんなさいをいうまで許すつもりはない 

そう思っていた

しかし息子はいっこうに口を開く気配はない そしてついに泣いてしまった


1回裏 ブレイクタイム店内

仕切り直し 店員さんにはまた後で来ますとお伝えして店内を少し見て回ることにした 僕はどうやったらごめんなさいと言えるのか考えていた

自分がしてはいけないことをしてしまったこと 悪いことをしてしまったことをこの子は完全に理解している じゃあなんでごめんなさいを言えないんだ 怒られるのが怖くて勇気が出ずに固まっているのではないか? もっと後押しが必要かもしれない

こう思いはげまして勇気づけることにした 背中をさすりながらなんどもこう伝えた

大丈夫だよ ちゃんと言えるさ 悪いことしたことはわかってるよな? 店員さんも怒ってないし ちゃんとごめんなさい言えればいいんだ

勇気を持って言ってごめんなさいと言って欲しかった 店内の雑貨を見ながらこれかっこいいなという程度の会話ができるようになった段階でリベンジを提案

練習してみようか ごめんなさいって言ってごらん

しっかり聞き取れるレベルまでごめんなさいの声が出た段階で僕は店員さんを探しに行った


2回表 抱っこしてごめんなさいトライ

背中をさすって勇気づけながらさっきの店員さんのところへ息子を抱えていく  

ごめんなさい言えるな さぁ言ってごらん


しかしごめんなさいどころか一言も声が出てこない ぎゅっと僕の肩をつかんで離さず 顔をふせようとする  親って不思議なもので 子供が困ってたり悲しそうにしている姿もかわいいと感じてしまう  この時も息子の顔を見てかわいいと思ってしまった  しかしこのままでは済まされない

ここで謝れないならおうちに連れて帰らないぞ


こう怒ってみせた 僕の顔はまだ隠れて笑っていた 息子に対してもあえて厳しい姿を見せることでちゃんとごめんなさいと言える人になってほしい そんな気持ちだった そんな様子を見守りながら店員さんはじっと待ってくれていた 真剣に聞こうとしてくれていた中で店員さんにもに少し笑顔があった

しかし息子からごめんなさいの一言は出てこなかった それどころか僕の胸に顔を埋めて店員さんを見ようともしない なんども怒ってみせても状況は変わらなかった ついにはまた泣いてしまう

不意にボコボコに叩きたくなる衝動にかられた しかしそれではもっと謝れなくなってしまう 店員さんを拘束してしまっていることもあり再度休戦とした


2回裏 アゲイン店内ブレイク

またふたりで店内を見て回りながら落ち着くのを待った 僕は改めて考える

はげましているだけではどうもならん もっと厳しく危機感を持たせないとダメだ 抱っこしてる状態じゃそれも感じることはできん もっと距離をおかねば

そして落ち着いた後 今後は自分で立ってごめんなさいするよう約束した そして再度店員さんのところに向かった


三回表 自分で立ってごめんなさいトライ

いい加減店員さんもウンザリしてるだろうと思っていたがとても優しい店員さんで ちゃんとごめんなさい言えるかな?頑張れ! と声かけしてくれてとても助かった  正直親の自己満足に付き合わせているだけだなと申し訳なかったが応援してくれて心強かった しかも店員さんからの提案で お父さんの前だと恥ずかしいだろうから一人でおいで とまで言ってくれていた

今回は自分で立ってごめんなさいを言わせようとした 自分で立たせることで読んで字のごとく「自立」させたいという思いからだ  

しゃがんで見つめながらごめんなさいを待つ 店員さんがななめうしろからこれを見守る形となった


しかし今度は言葉すら一言も出てこない ごめんなさいどころかすぐに泣き出し 僕にすがろうとする 店員さんが呼び寄せても僕から離れようとしなかった こんな親子に何度も付き合わせてしまって店員さんにますます申し訳なくなった

泣きながらこちらによりかかるばかりでごめんなさいの言葉を出す努力が感じられない すがってくる息子の手を僕はなんども振り切って押し戻す 繰り返しているうちに 急に僕の中のなにかがハジけた


なさけない  なんとなさけない


次の瞬間涙が込み上げた 自分が悪いとわかっているのにごめんなさいが言えない息子に対して そんな4歳にしてしまっている自分に対して とにかくなさけなさでいっぱいになった 

ここで親父の僕が泣くわけにもいかず涙を我慢しながら叱責しようとした しかしそれも長く続けることもできない状態になってしまい店員さんに後日出直すことを告げてその場を立ち去った 店員さんも涙をぬぐっていた


3回裏 親父がブレイク

大型のショッピングモールで日曜日ということもありかなりの人だったが 人波をかき分けながらも涙を隠すことはできなかった

僕は子供が可愛くて仕方がなく 自分から手をつないだり寝る前だけでなく事あるごとにチューさせたりするような親父だ しかしこの時僕はブレイクしていた

繋ごうとしてくる小さな手をおもいきり振り切る 追いつけない速さで歩き走って追いかけてくる息子にぐちゃぐちゃの顔で罵声を浴びせる  

周りを気にする余裕は全くなかった とにかく今まで感じたことのない無力感に襲われていた

僕の大好きなこの子は友達のおもちゃを壊した時にごめんなさいを言えないのだろうか 悪いことをした時に悪いことを認めずごまかしてしまうのだろうか このままではダメだ でもどうしたらいい?どうしたらこの危機感が伝わるんだろうか これだけ言ってもわからない子に対して僕に何ができるんだろうか

そしてついにこう告げた

なさけない もうついてくるな  お父さんは一人で帰る


・・・


少し歩いた先で息子は大泣きしながらも僕に追いついた  

その様子は明らかにそれまでと違っていた

いっしょについてきて くだたい  

はっきりした声でこう言い真っ赤な顔は例の店の方を真っ直ぐ見ていた


最終回 一人でごめんなさいトライ

やっと帰ったかあの親子 と思っていただろうに 店員さんの心の広さには一生頭が上がらない 

店の前までたどり着くと息子は一人で店員さんのいるレジに向かって行った 店員さんとは目が合ってすぐにしゃがんでくれた

 相対する息子


 少しして店員さんの声が聞こえた

よく言えたね えらかったね!

その瞬間 僕の涙腺は崩壊していた(ちなみに今も書きながら崩壊してる) すぐにかけよって思いきり抱きしめた

店員さんにはこの時こう言ったつもりだ

お付き合いいただき本当にありがとうございました 改めてすみませんでした また必ず来ます

しかし全てはっきりは言えなかったと思う めっちゃ泣いていたので恥ずかしさと申し訳なさとで逃げるようにその場を立ち去った

よくやった えらかったと息子を抱きしめながら混雑したショッピングモールを後にした


終わりに

3点の気づきについて最後にまとめます。

ひとつめは、しつけは優しさだけじゃダメだろうだということ。

個人的にはいつも厳しい父親でいるつもりでした。細かいこともこだわってしっかりけじめはつけさせるよう叱っています。だからこそ今回の件は非常にショックでした。このくらいできると思っていたのになさけない、、、という感情です。

これまでは自分の本気度をちゃんと表現できていなかったことを反省しています。なんだかんだ言ってお父さんは僕のこと好きだし許してくれるし助けてくれると思ったままではいつまでも甘えたままになってしまいます。

特に僕は人付き合いにおいて、いつもご機嫌であることを心がけるせいか、優しすぎるとよく言われます。裏切られ深く傷ついたとき、言葉で伝えてるけどその伝え方が弱かったからかその深刻度がちゃんと相手に伝わらなかったこともあります。これってコーチングにも共通するかな。


ふたつめは、しつけが親自身の足りない部分に気が付くきっかけになるということです。

家に帰って来ながら、結局最後の自分の店員さんに対する態度は息子と同じだったんじゃないかと感じました。今になって振り返ると、恥ずかしいという思いと申し訳ないという思いから早く立ち去りたかったことは 間違いありません。子供は自分を映す鏡であり、自分が普段できていないことや怠けていること、避けている部分は子供も同じようになってしまうということだと思いました。


みっつめは、、、

親父が涙もろすぎるということにしときます(僕も親父譲りやから息子も絶対そうなるわどんまい)


最後になりましたが、お付き合いいただきました店員さんに感謝です。本当にありがとうございました。おかげで非常に貴重な気づきが得られました。次のフライパンはあなたから買わせていただきます。本当にありがとうございました。

以上


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