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荒廃した食卓に一筋の光

コロナの感染者数が増え続けている。

そもそもの趣味が
食べ歩き、海外旅行、舞台鑑賞など
今のご時世と相性が悪いせいもあり
休日に外出する機会がめっきり減った。

美味しいものを家で食べようと
自炊に精を出していた時期もあったが、
自堕落な性格が徐々に顔を出し
今では家で口にするものといえば
白菜と白ネギとポン酢のみだ。
上司に言ったら本気で健康を心配された。

そんな荒んだ食生活を送る私の食卓に
一筋の光が差した。
ふるさと納税の返礼品である。

いつからか米を炊くことを諦めた私は
人気返礼品である米に見向きもしていなかったが、
ある年、チルドのつや姫を見つけた。
レンジでチンなら私にも出来る。
ふっくらつやつやな白米に胸がときめいた。

唐津ハンバーグもかなり美味しい。
冷凍した状態で送られてきたものを
フライパンでじっくりと焼く。
余計なことはせず蓋をして待ち、
一度だけ裏返すといい匂いと焦げ目が現れる。
焼けた塊は肉のうまみがぎっしりと詰まり、
わさびを添えることでどんどん箸が進んだ。

汁物はマルコメのフリーズドライ、
京懐石の味噌汁だ。
豚汁やら茄子やら色々な種類がある中で
本日はきのこを選んだ。
鰹と昆布の出汁に味噌が優しく溶けて
しみじみと旨さを感じた。

いつから冷凍庫にあるか分からない
冷凍オクラに鰹節をかけ醤油を垂らし、
同じくいつからあるか分からない
乾燥もずくを戻してポン酢をかけた。

一汁三菜の完成である。
ハンバーグを焼く15~20分ほどの間に
すべて用意出来た。

なんて素晴らしいのだ、ふるさと納税。
我が荒廃した食卓に差し込んだ一筋の光。
我が乾ききった砂漠に現れたオアシス。
自堕落独居人は一人残らず
ふるさと納税をフル活用すべきだと確信した。


大満足の食事を終えると、台所には
汚れたフライパンとお皿が残っていた。

そうだ、私が自炊をしない一番の理由は
洗い物が面倒くさいからだった。

今日はいい気分で終えたいので、
洗い物は明日に残しておくことにする。






#ふるさと納税の話

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