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#RinDaの台本0418 総括

どうも、RinDaです。

今回は、私がTwitterで投稿した
#RinDaの台本0418  の
総括をしていきます。

今回は台本ではなく、
レッスンと呼ぶべき内容ですね。

参加者の方には、
12個のパターンの中から
3個選んで、任意のキャラ設定で
演じてもらいました。

その録音を他人に聞いてもらい
その3個のパターンが
どれを表現しているかを
あててもらうというもの。

この課題の際して、
私がツイートで
「声を変えるのは良くない」
と言うようなニュアンスの
ツイートをした結果、
誤解を生んでしまったようなので、
その訂正もしていきたいと思います。

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想いだけでは伝わらない

まず、事実として
自分が想いを込めたからといって
相手にそれが伝わるとは限りません。

それができるのであれば、
人類の中に誤解が無くなり
様々な悲劇を回避して、
人類は難なく平和に
暮らし続けるでしょう。

そもそも、その誤解がないと、
ドラマやカタルシスが生まれないので
我々役者と言う職業の必要性が
無くなってしまいます
しね

なので、頭で「赤」や
「赤いイメージの人」を
思い浮かべただけで
「赤」を表現しきることは
非常に難しいです。

では、どうしたらいいのでしょうか?

印象を誘導する

「ボールよ飛べ!」と
念じても動かないのであれば、
実際に投げるなり、蹴るなりで
飛ばすしかありません。

あ、殴り飛ばして言うことを聞かせる
ということではありませんよ?

例えば、「この先通行止めです」
口だけで伝えるの
看板や旗を持ちながら伝えるのでは
説得力に雲泥の差があります。

また、
「この先工事中ですので通行止めです」
理由を伝えるだけでも効果は爆上がりです。

さらに言えば、

「大変申し訳ありませんが、
只今、水道管の交換工事を行っており
この先10mにわたって
通行止めを取り行っております。
お手数ではございますが、
ご協力をお願い致します。
なお、迂回する方は
こちらのルートをご利用ください。」

てな具合に、丁寧に腰の低い言葉を選ぶ
より相手がこちらのお願いに
従ってくれる可能性は上がりますね。

と言うように、
セリフの中で、相手を上手く丁寧に
誘導することができれば
相手に与える印象を確実に
変化させることができます。

セリフで誘導する

しかし、演技をする上で
セリフを勝手に増やしたり
設定を付け足したりというのは
難しいですよね。

そこで、行うのが
「ニュアンスをつける」
という作業です。

具体的に言うと
声に変化を加えて
感情や動きを演出する
ということです。

1から10説明するのは
キリがないので
わかりやすいとこからいうと
「動き」のニュアンスでしょうか。

例えば、
「ん?…今だれか呼んでたような」
というセリフがあったとしましょう。

ト書き(台本に書いてある動きの指示)が
書いてあれば、それに従えばいいのですが
それがない場合、役者がそれを
考えて演出しなければなりません。

まず「ん?」で振り返る、
もしくは首を巡らせているのが
読み取れる
と思います。

なので、ここには
首を捻った状態の音、もしくは
前から後ろに振り返った音
出さなくてはなりません。

具体的に書くと
音が正位置から右に流れる音
のどが圧迫されている音です。

これを出すことで、
「音が変わった」と
聞き手に思わせることができます

すると聞き手は想像力を働かせて
「首を巡らせたんだな」というのを
勝手に理解してくれます

これがニュアンスをつけて
相手を誘導するという技術です。

「今だれか呼んだような」の
「今」でさっきとは逆の音を出して
「だれか~」で首を傾げる音を入れれば
「感覚を疑う、不思議に思う人」という
役の動きを演じることができます。

感情のニュアンスは
動きのスケールを
微細なものにしていくという
感覚ではじめはいいと思います。

といった感じで、
ニュアンスを積み上げて
聞き手を誘導することが
出来るようになると
演技が多彩になります

なにより、
演技がどんどん面白くなってきます

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声を変えての表現

ニュアンスをつける以外にも
相手を誘導する方法があります。

それが「声色を変える」という方法です。

あくまで個人的な見解ですが、
声の演技で声色と言うのは
「衣装」を変えることです。
もしくは「化粧」をすることです。

これは、演技において重要です。

それは舞台演劇をみれは容易ですね。

私服で化粧もせずに
舞台に立つ役者は存在しません。


少なくともプロの世界では。

しかし、これには重大な問題があります。

それは、衣装を変えれば
その人間になれるという
訳ではないこと
です。

「HERO」という
ドラマが流行った時に
茶色のダウンジャケットを着る
男性が増えました。

これは、劇中でキムタクが
その衣装を着ていたから
です。

ですが、
そのダウンを着たからと言って
キムタクに、久留生浩平に
なれるわけではありません

つまり、声色だけを変えても
それでキャラを表現できるという
訳ではない
ということです。

むしろ、違和感が出てしまい
キャラクターが崩壊する可能性もあります。

養成所などで講師の方がよく
「地声で演じろ」と言われるのは
このキャラ崩壊を起こさせないためです。

まあ、逆に言えば、
キャラ崩壊さえ起らなければ、
声を変えても構わない
ということです。

むしろ、声を変えて
印象にブーストを掛けて
いかなければなりません。

そのためには、
ニュアンスを完璧に
出せることが前提となります

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人智を尽くして天命を待つ

それでもやはり、
声優を志す方は
素敵な声色を操る諸先輩方に
憧れている方が多いので、
声を変えて演技を
したくなってしまいます。

私も割と最近まではそうでした。

ただ、
声だけを変えて演技をするというのは、
「印象を相手に押し付けること」だと
意識してから、そういうことは減ったと
自分では思います。

また、声は「故意に変える」のではなく
「自然に変わる」ものだ
と理解してから
より上達を感じました。

その声が、自分の想像の中に存在して、
その世界に自然に溶け込んでいるか。

そうであるなら、
それは「自然に変わる」
言えるのかもしれません。

それが自然だと思わせるためにも、
演技の技術、ニュアンスの付け方を
学ぶ必要があります。

印象を押し付けてはいけません。

あくまで
聞き手が自然にそう思うように
誘導する

声が変わるのはその結果でしかありません。

結果だけの上塗りは、
非常に醜い。

そう思いませんか?

RinDa

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