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読解②:演技に正解がないわけが無い

どうも、Rindaです。

前回に引き続き
テーマは「読解力」です。


「演技に正解はない」
という言葉をよく耳に
することがあります。

これは
「台本解釈は人それぞれであり、
その解釈を否定することは
必ずしも正しいとは限らない」
ということです。

まあ、感じ方は人それぞれなので、
筋は通る話なのですが、

少し誤解をはらんでもいます。

立場の違い

「演技に正解はない」
というのは、
本を書く側の人間
考えだと思います。

台本解釈は人によって違う

だから、より精密に
無駄なく本を書かなくては
ならないのです。

そうして、作家さんの
努力と計算によって
台本というものは
出来上がります。

その台本には
果たして正解は
存在しないのでしょうか?

もちろん、その作品を
楽しむだけなのであれば
話は別です。

自分が楽しめるように
解釈をすればいい。

ですが、声優は
それをお金を貰って
表現を依頼されています。

作者の解釈を
追求しない声優に
価値はありません。

もちろん、追求した結果、
作者の解釈を完璧に
表現できるとは限りません。

ですが、「意図をくむ」と
「無視をする」のでは
雲泥の差があります。

もし、プロの声優として
生きていくのであれば
作者の意図を考えずに
演技は出来ないのです。

プロの正解

では、その正解とは
一体どんなものなのか

これは大きく3つに
分けることができます。

①期待された正解
②ただの正解
③正解を超えた正解

の以上3つです。

これらの正解を出すことが
出来れば、声優として
生きていくことができるはず
(人気になるかは分かりませんが)

では、その3つの正解について
解説していきます。

①期待された正解

これはその役を任された
声優に対する正解
です。

制作側は声優を
キャスティングする際に
ある程度狙いがあって
その声優を配役します。

なので、その狙いを
遂行することが出来れば、

その声優は仕事をしたこと
になります。

作者の意図を完全に
再現しなくても成立する正解。

これが期待された正解です。

言わば、プロの最低条件です。

②ただの正解

台本の内容を
余すことなく読み取り、
作者の意図も
踏まえられた正解
です。

この正解が出せる声優は
制作側が信頼を
得ることができ、
指名で役を貰うことが
できます。

プロの声優の中でも
成功者になるためには
この正解を量産しなければ
なりません。

ですが、この正解を
引き当てようとするのは
少し危険な考えなので
気をつけて下さい。

③正解超えた正解

制作側の指示からは
はずれてはいるが、
制作側の意図をより
正しい形で表現した正解

これは狙ってできる
ものではありません。

なぜなら、前提として
制作側の指示の漏れが
存在しているから
です。

例えば、
「お節介なキャラ」がいたとしましょう。

皆さんはどんなキャラを想像しますか?

私が考えるのは次の二通りです。

ひとつは、
親切を自分の役割のように
果たし続け、結果的に
お節介なタイプ。

もうひとつは、
コミュニケーションに自信がなく、
でも他人に優しくしたいけど、
方法がよく分からなくて
度が過ぎてしまうタイプ

前者は
比較的ハキハキとしたキャラになり、
後者は
オドオドしたキャラになると思います。

では、お節介なキャラが
台本に登場したとして、

セリフの上では後者。
設定上では前者だった場合。
どう演じますか?

これが制作側のズレです。

もちろん、
全てがミスとは限りません。

制作側は作品全体の
クオリティを監修しているので、
キャラクターひとりひとりの
詳細な設定までタスクを
割けない
場合があります。

前者のまま演じると、
「合ってるんだけど
なんか違う」と言われ、

後者で演じると、
「設定上と違う」と言われる
可能性があります。

もしかしたら、
後者を演じた場合に、
制作側がミスに
気づいてくれるかもしれない。

はたまた、前者で
押し切ってくるかもしれない。

正解というのは基本的に
制作側に委ねられているので
ここから先はどうなるかは
分かりません。

もしそれを演技で
納得させられることが
出来たのなら

その演技は
正解を超えたと言っても
過言ではないでしょう。

求めるべき正解

声優が求めるべき正解は
①を踏まえた上での③
だと思います。

③ばかり意識してしまうと、
①すら守れない可能性が
出てきてしまうので、

①を踏まえた上での③を
意識していきましょう。

また、②を求めるのが
危険な理由は
台本の質に演技の質が
左右されてしまうからです。

①踏まえた上での③を
求めた結果で②を量産する

というのが望ましい形
なのかもしれません。

読解の心構え

③とは具体的にどんな作業を
しているかというと

想像力による
台本と設定の精査
並びに穴埋め

していることになります。

そのシーンを実際に想像してみて
キャラクターを動かしたときに
「違和感がないか」をチェックする。

それは制作側のズレを
発見することにもつながるし、
単純に正確な役作りである
②にもつながります。

想像力を高めて
台本に向き合いましょう。

RinDa

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