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『PERFECT DAYS』(ややネタバレあり”
2024年の劇場映画はじめは大好きな役所広司の主演作『PERFECT DAYS』でした。なんとヴィム・ヴェンダース作品の劇場鑑賞は1985年日本公開の『パリ、テキサス』以来約40年ぶり!
以下、ストーリーについてネタバレもあります。
スマホも持ってないし目覚まし時計もなく早朝、外の掃き掃除の音で目を覚ますことから始める中年独身男性:平山(役所広司)のルーティンな生活…
そんな平山の人生にほんの少しだけ波乱を巻き起こす登場人物たち。
タイトルを見て真っ先にLou Leedのナンバー「Perfect Day」を思い浮かべたのは私だけではないはず。この歌に登場する主人公もまた『PERFECT DAYS』の平山と同じくルーティンな毎日を過ごし「ただひらすら完璧な1日だ」と呟く。
劇中の音楽もセンス溢れるヴェンダースらしい選曲だし外国人監督が日本を捉える不思議な異国情緒溢れる色彩感覚も魅力的でした(ソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』然り)。
本当は場面ごとに流れる音楽と登場人物の心情を絡めて語りたいところだが1度だけの鑑賞では理解度が足りないし、出演者に関しても些細な場面で思わぬ役者さんを起用していたり語りどころ満載であったが記憶力が希薄過ぎる…リピートするごとに新たな発見もありそう。カセットテープ が重要なアイテムとして登場するのも良き。
エンディングで流れるのは「一日が終わる時、安心して眠れる場所、それが私の求めるもの」と歌われるニーナ・シモンの“Feeling Good”。ラストシーン、平山の笑顔と涙の意味がなんとなく伝わるような気がするのだが、あのラストをここで語るのは野暮だ。
ルー・リードの「Perfect day」とニーナ・シモンの「Feeling Good」が対を成し、この物語の禅問答のような“木漏れ日”の意味の深みが沼となる。
もう一度観たい…そして鑑賞後に誰かと語り合いたい映画である。
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