縁を切られた。

3月、卒業。
4月、入学。
出会いと別れの季節と呼ばれる春が、私にも訪れた。
大学生、新生活、見知らぬ土地。
昔から見知らぬ人と距離を縮めるのが得意だった私は新天地でたくさんの友達に恵まれた。大学は高校生活とは異なって、自らとは異なる価値観や意見に触れられる機会が多く、忙しくも充実した日々を過ごしていた。

そんな時、高校時代の恩師から「元気か。」と連絡が来た。
遠く離れても自分を気にかけてくれる人がいることが、この上なく嬉しかった。
同時に高校の友達のことを思い出した。

私は、ずっと仲の良かった友達1人と、卒業間近に関係がギクシャクしてしまった。私は彼女を嫌いになった。なぜギクシャクしてしまったのだろう。お互い不満が積もったからなのかな。でも、それを打ち明けるほどの勇気も、両者持ち合わせていなかった。傷つけ、傷つけられた。


でも、ずっと仲良かったんだから、安否くらい気になる。
久しぶり、元気? 連絡してみた。


返信が返ってこない。
インスタグラムを見ると、ブロックされている。
卒業式には、帰省したら遊ぼうね。なんてお互い社交辞令とわかっている約束を交わしたのに。
彼女のことは嫌いだった。でも、どこかでまだ好きだった。大切に思っていた。いつかまた仲直りできるんじゃないかって思っていたからこそ、その場で素直に向き合うことをやめた。これが過ちだった。
あの場で正直に向き合っていたらこうはならなかったのに。

現代は、ライン、インスタグラム、Twitter、
snsのフォロー機能やブロック機能で簡単に人間関係が可視化できる。
辛い。なんて時代に生まれてしまったのだろう。

もしかしたら、自分には必要のない縁だったのかもしれない。
金のイルカ座は不要な縁が切れる年らしいし。
でも辛い。
新しい素敵な友達も沢山いる。彼氏もできた。
それでもなぜこんなに悲しくなるのだろう。
なぜ私は、一度嫌いになった彼女に縁を切られて落ち込んでいるのだろう。
自分を一度でも傷つけた相手を大切にする義理など持ち合わせてなければ良かったのに。

引きずっても、仕方ないよなあ。

この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,357件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?