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サイドカーに犬問題
帰省のため、大荷物を転がしながら早朝ふたりで駅に向かっていたところ、ゴールデンレトリーバーをお散歩している人を発見。
この辺りには本当に犬を飼っている人が多い。
動物が好きなカップルだったら「将来買うならどんな犬種がいいかな?」という話題で盛り上がりそうだが、わたしたちは全くといっていいほど興味がない。
なんならちょっと敬遠してる。
すると、夫が突然
「サイドカーに犬って語感よくない?」と言い出した。
…サイドカーに犬???
犬や猫にあまり興味がないにしても、語感の話題になるとは思わなかった。
ドッグインサイドカー
助手席に犬
ベビーカーに犬
いや、やっぱりサイドカーに犬がいいな。
と、ひとりでブツブツ言っていたけど、
最終的には「このタイトルで小説書こう。」ということになった。
※ときどきわたしたちはこういう遊びをする。設定を考えて、物語を作ったり。
内容はどうする?
やっぱタイトル的に寂しい感じがするよね。
夫に先立たれた妻が犬と旅に出るとか?
でもそれってあきりたりよね。
うーん、サイドカーを盗んだら実は犬が乗っていたっていうのはどう?
とても面白そう。
犬種はどうしよう。
ゴールデンレトリバーだとありきたりだよね。小さいの2匹乗せとこう。
いいね。
と、意外と盛り上がっていたら駅についてしまった。
電車の中で「サイドカーに犬」をGoogle検索したら、既に同タイトルの出版されていたことが判明。びっくり。
しかも、芥川賞受賞した長嶋祐が書いていた。しっかりDVD化もされていた。残念。
わたしたちが考えたサイドカーに犬ストーリーはもう世に出ることはないだろう。
でも、芥川賞を受賞した作家と同じタイトルを思いついた夫。なんかちょっと見直した。ネーミングセンスという点においてはわたしは夫を一目置いている。
いったい、本物のサイドカーに犬はどんな話だろうか。いつか「サイドカーに犬」をふたりで読んで答え合わせをしようと思う。
サイドカーは盗んでいなくても、犬は2匹くらい乗っていてほしい。
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