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留袖を着る

こんな日が来ようとは。
娘が結婚した。結婚式を挙げた。
私は新婦の母。イコール留袖。
留袖見たのは遥か昔、そう、私の結婚式の時の私の母。と私の姉。と言うことは私があの時の母の歳になってしまったわけ。
あの時の母はこんな気持ちだったんだと今わかる。留袖を着る母役を初めてやる気持ち。娘も結婚式は初めてかも知れないが留袖を着る母役をやる母もまた初めての経験なのだよ。
そして複雑極まりない留袖の私がここにいる。
着物着ると一気に老けるな。普段服装とかで若ぶってるけど着物はごまかしがきかない。
鏡に映る自分の姿を真剣に見る。恐ろしいことに顔が母そっくりだ。姉にもそっくりだ。
歳とると遺伝子の強さをしみじみ感じる。
娘も薄っすら私に似てきている。着なれない留袖を着て近しい親族や友人達に「これからもよろしく」の挨拶をこめての顔合わせ。

今回自分が経験して思ったのは一つの演劇を観る側と演じる側の両方を味わえるエンターテイメントだと思った。新婦役、新郎役、神父役、オルガン弾く役、ハープ弾く役、讃美歌歌う役………
それぞれの役者さんが一つの舞台を作り上げていくのはかなり楽しい作業だ。

最近はコロナもあり、またお金もかかるから結婚式をやらない人も増えてるけどプライスレスな経験(カード会社みたいだけど)だなと思ったよ。

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