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いちごの思い出

昔勤めていた会社でいちご狩りのハトバスツアーの企画があった。
私いちご好きだしいちご狩りも久しぶりだったから即行くこと決定。

千葉方面。行きは海を眺めながらいちごに思いを馳せた。天気も最高に良かった。
いちごのビニールハウスに着いたら1人ずつ練乳の入ったカップを渡された。
なんだか開店前のバーゲンセールさながらの白熱した空気が漂い気持ちはもういちごに飛んでいた。
目の前のいちごをそのまま食べたり練乳につけてみたりもう食べ放題。
時間が押し迫り最後の勢いをもう一捻りして食べまくりそのままバスに乗った。

そして席に着くなりとたんにトイレに行きたくなった。バスはもうすでに出発。

いちごって思ってるより水分あるんですね

「トイレに行きたい」と思うともう断然トイレに
行きたくなって我慢できなくなってきた。
たぶん顔も青白くなってたと思う。
近くに座っている会社の人が気を利かせて運転手さんに言いにいってくれた。
天使〜♡と思ったのも束の間
「運転手さんが無理だって。パーキングまでトイレないらしい」

………
パーキングまであと何分?
もう1ミリたりとも振動は受け付けない。
そう言う時に限って隣の友が
「知ってる?女性の膀胱って男性より短いから我慢しづらいらしいよ」

だから何?
もう限界なんですよこちとら。
ここで漏らしちゃったらどうなる?トイレ我慢しすぎて死んだ人いるのかな?
あー死ぬ死ぬもう死ぬ。バスの運転手さん、恨みます。

と、どうにか自分で気を紛らしてると窓の外にパーキングエリアらしき姿が。
私はすぐさま前の席まで行き、バスの運転手さんを恨めしく横目に見ながらタラップの下に降りてパーキングエリアに着いてドアが開いた瞬間にトイレに駆け込んだ。

どうにか間に合った。
神様、ありがとう。

いちごの季節になると思い出す。
自分のことしか考えられなかったけど私がバスの前で待機していた時もう1人私と同じ状態の人がいた。ドアが開いた瞬間競走のように私と同時に走った人がいたのだから。

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