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#70 Podcast News:音声で稼ぐ時代の幕開け

こちらのnoteはポッドキャストの原稿・書き起こしです。
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音声業界の海外市場が見えてくる番組 ポッドキャストアンバサダー
この番組では、自称オーディオジャーナリストである新井里菜が、音声を通じて音声業界の気になるニュースや注目の動きをお伝えします。
音声配信者やポッドキャスターが知っておきたい情報、音声配信が気になっている企業に役立つ視点を業界目線とリスナー目線でお届けしています。

さて、今回は「音声で稼ぐ時代の幕開け」というタイトルで、音声のマネタイズをテーマに、音声業界の注目ニュースをアップデートしていきたいと思います。

このマネタイズというテーマ、これまでにも何回か、この番組中でも取り上げている人気のあるテーマなんですが、ポッドキャスターや音声配信者が使えるマネタイズの方法というのが、今年に入っていろいろと発表されてきました。

変化早いこの音声業界。海外と日本それぞれの注目マネタイズ方法を総まとめにして、お届けしたいと思います。

今回のエピソードは、今月から配信を始めたニュースレター”Podcast Newsletter”で私が執筆した内容を元に、音声でお届けしている内容です。

ニュースレターでご覧になりたい方は、公式Twitter@PodcastLetterJP またはWebsiteよりご覧ください。

1.音声で稼ぐ時代の幕開け

さて、今回は音声のマネタイズをテーマに「音声で稼ぐ時代の幕開け」というタイトルで執筆したニュースレターを元にお届けしたいと思います。

まずは、皆さんも記憶に新しい、AppleとSpotifyの有料サブスクリプションサービスの提供。覚えていらっしゃいますでしょうか?今年4月、ほぼ同じタイミングで発表された、ポッドキャスターには嬉しいニュースです。

自分のポッドキャストを有料で販売することができるという、今まで特に個人の音声配信者にとってはハードルが高いと思われていた、「音声で稼ぐ」と言うキャリアが、少しずつ現実に近づいてきました。

これまではラジオ局やプロじゃないと難しかったマネタイズ。ここが今のポッドキャスターや個人配信者にとってどういう局面を迎えているのか、今回はサクッと総まとめしてお届けしたいと思います。

2.海外のマネタイズ方法とは?

これまで、音声メディアでビジネスが成り立っている代表と言えばラジオ局でした。ラジオDJから構成作家、編集を手がけるエンジニアから広告枠を得るマーケターまで、このプロ集団が配信するラジオ番組が独断場を築いていたのが一昔前。

今では、ポッドキャストや音声配信プラットフォームが発展し、誰でも配信者になれる土壌が整い、今度はここからどうマネタイズをしていくかと言う一面が注目されています。

特に、音声市場の先行事例と言われる海外では、一足先にポッドキャスト配信に絡めた様々なマネタイズ方法が発展してきました。その中でも1番メジャーな方法はスポンサー収入です。

例えばニュースカテゴリーでランキング1位常連のThe New York Timesのポッドキャスト「The Daily」などは、必ずスポンサー枠があります。スポンサー枠は1つに限らず、例えば、オープニング、ミドル、エンディングと3か所以上に渡るものも。

また、他に注目されているマネタイズ方法の1つは「著作権ビジネス」です。これは、例えば人気ポッドキャスト番組をテレビ番組化、映画化する、という事例ですが、これまでにNetflixでのドラマ化された番組や、ゴールデングローブ賞にノミネートしたポッドキャストを元とするテレビシリーズも存在します。

3.日本はどうなのか?

では、一方で日本市場はどのようなマネタイズ方法が発展してきているのか?

実は日本の音声市場は、ポッドキャストという媒体よりもVoicyやRadiotalk、Stand.fmなどの各配信プラットフォームが発展してきたからこそ、様々な方法が現在存在しています。

国内プラットフォームを使う配信者として「どうやって音声で稼ごうか?」と考えた時、ザックリどのような方法があるのかというと、4種類ほど。

国内音声配信プラットフォーム 有料化の選択肢
1.スポンサー収入
2.プレミアムコンテンツの販売
3.リスナーからの投げ銭
4.聴取時間に応じた報酬

プレミアムコンテンツの販売や投げ銭というのは、基本リスナーさんから直接頂くマネタイズ方法となりますが、その他は企業や配信プラットフォームからもらう報酬という事で、お金の出どころも異なる4つのマネタイズ方法です。

ただ、プラットフォームによっては、音声配信者がこの有料化の仕組みを使うには条件があり、ある一定のフォロワー数や再生回数といった数値条件、または企画書による審査突破、というものなどが存在します。

まだまだ誰もが使えるマネタイズ方法、といったところでハードルが高いものもある様です。

4.音声媒体のマネタイズ、ハードルは高い?

さて、海外と国内市場両方のマネタイズ方法にサッと触れていきましたが、そもそも音声媒体のマネタイズとは、文字媒体や映像媒体と比べてハードルが高いと言われるのはなぜだと思いますか?

他の媒体と比べて音声市場は発展途上である事、だからこそマネタイズ方法もまだ確立してない、など市場全体から取り組まねばならない視点もありますが、それ以外の視点でもまだハードルが高いのが音声。

自分がリスナーという立場になってみると、どうでしょうか?

例えば、今聞いて頂いているこのポッドキャストが急に、「明日から有料になります」となったら、お金払いますか?

これまで無料だったものにわざわざお金を払う、というのは結構人間ハードルが高いもの。やはり、一般的にラジオやポッドキャストなどの「音声は無料であるのが当たり前」といったイメージがまだまだ強いからなんです。

その一方で、例えばオンライン版の新聞の購読料って、払ってませんか?新聞や雑誌、本などの文字メディアには「お金を払う」という事が受け入れられやすいのに対して、音声メディアはそもそも「無料であるのが当たり前」。そんなイメージが世の中にある中で、音声というのはまだまだ一般にお金を払ってもらいにくいメディアの立ち位置でもあると感じられる方も多いのではないでしょうか。

5.音声を直接販売できるステージへ

そんな中出てきたAppleとSpotifyの有料サブスクリプションサービスの提供。これは特にポッドキャスターには大きなニュースとなりました。

これまでポッドキャストをPRとして使い、自分のビジネスに繋げる、またはグッズ販売や関連するKindle出版などによって収入を得る、というような音声で間接的に収入を得るという方法はされてきましたし、ブログやニュースレターを通じての音声コンテンツの販売、オーディオブック販売など、音声媒体という括りでは他にもマネタイズ方法というのはありましたが、今回のニュースは、シンプルに「音声を直接販売する」という方法です。

もちろん、リスナーとしての「音声は無料であるのが当たり前」というイメージをこれで一挙に払拭することはできませんが、AppleとSpotifyというポッドキャストの二大プラットフォームが動いたということは、「この番組を応援しよう!」と思ってくれたリスナーにとっても支払いまでのプロセスがスムーズになるでしょうし、ポッドキャスターや配信者の「音声で稼ぐ」キャリアに繋がるハードルを1つ取り除いてくれたようにも感じます。

2021年10月時点でAppleは既に日本国内でも有料サブスクリプションサービスを開始済み、Spotifyについては8月末に米国でサービスリリースしたものの、その他各国については現在秋以降のリリースとのことです。

まだ始まったばかりの有料サブスクリプションサービス。

「音声で稼ぐ」ポッドキャスターや音声配信者に向けて、大きく背中を押してくれた大手プラットフォームの動きを通じて、今回は音声のマネタイズ方法をテーマに Podcast News をお伝えしました。

6.エンディング

さて、今回はマネタイズをテーマに、海外と日本、様々なこれまでのニュースを総まとめしてお届けいたしました。

音声業界のニュースって、実は本当に毎日小さいものから大きなものまで日々アップデートがある業界なんですよね。これ、一つ一つ断片的に見ていくと本当に、時間がいくらあっても足りないぐらい、追いつくのが難しいんですが、今回はこの”マネタイズ”というテーマを軸に、過去から現在、海外と日本と、ザックリ大きな視点でニュースを独自の視点でキュレーションする、という形でこの記事を執筆させて頂きました。

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最後まで、お付き合いいただきありがとうございました。
ポッドキャストアンバサダーの新井里菜がお送りしました。
それでは、次回のエピソードで。

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