フランス2 五感で楽しめる南フランス (コンチキツアー1-20)
ずっと参加したかった、英語を使った国際ツアー「コンチキツアー」での思い出です。
旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪
話さなくていい観光日
カジノの勝利をニースで派手にお祝いした翌日、ルームメイトのジュリーと私は、完全な二日酔いで目を覚ました。
「どうしよう……完全に声が枯れて来てる……」
「えっ?今、Rinaが喋ったの?大丈夫?」
「熱とかはないんだけど、これだとみんなと思いっ切り喋れないや」
「辛いよね。でもあなた、ラッキーよ。今日は喋るより、香ることと食べることが多い日みたいよ?」
ジュリーがスケジュール表を見ながら教えてくれた通り、フランス三日目は会話を楽しむことが中心の日ではなかった。
嗅ーグラースで香水に囲まれて
ニースの賑わいから離れ、私達は香りの町として有名なグラースへと向かっていた。
「有名な香水工場が3つあるんだけど、僕達はフラゴナールの工場へ向かうよ」
ツアーガイド・ルーカスの案内に、女性達は特に喜んだ。
「フラゴナール?日本じゃなかなか手に入らないから、嬉しい!」
「Rina、なんてハスキーな声!その声も、慣れたらいい組み合わせ!」
フラゴナールの工場では、ひたすら香りを楽しんだ。
「Rina!日本語のパンフレット見つけたよ!」
「今の機械は、フローラルな香りを更に広げて行くためなんだって」
ツアーメイト達は香りの最中も、英語のネイティブでない私を気にかけてくれた。
「オリジナルの香水を作るには、時間が足りなさそうだなぁ」
「でも、ここでフラゴナールの香水を買えたのは、最高の香りの思い出になるね」
光がたくさん差し込み、明るく爽やかな印象だった、このフラゴナール工場。
後からもこの工場を思い出せるように、私はスミレやイランイランが入った香水を選んだ。
優しい香りでどんなシーンでも使いやすいこの香水をウィーンでも愛用し、フランスは香りでも常に、私の側にいてくれた。
残りの時間を惜しむように
グラースの後コンチキツアーバスは、『アヴィニオンの橋の上で』の歌で有名なアヴィニオンへと向かった。
私達は、自分達のツアーが後3日で終わることを知っていた。
だから、残りの時間を惜しむかのように、この町でも香水遊びをしたり、アヴィニオン橋で実際に踊れるか試してみたり、可愛らしい町を散策したりした。
数週間も一緒にいると、互いが何を考えているかが不思議と分かるようになる。
そして全員が、ツアーの終わりが来て欲しくないと思っているのも伝わって来た。
味ーカタツムリへの挑戦
アヴィニオンの次は、これまた美食で有名な町、リヨンへ。
お腹が空いて来た私達は、コース料理で出て来た前菜をすごい勢いで食べ切ったが、次のものが出て来ると、彼らはなんとも言えない奇妙な表情をしだした。
中には、悲鳴をあげるツアーメイトまでいる。
「何が、そんなに怖いの?」
「だ、だってRina……エスカルゴよ。これが何か分かる?カタツムリなのよ……!」
オーストラリアの姉教師、ケイトは特に躊躇していた。
私達は一人ずつエスカルゴに挑戦し、それぞれ記念撮影をすることにした。
「Rina、君あまり怖がってなかったし、トップバッターで行こう」
「えっ、私?!」
日本でもエスカルゴは普通に食べたことがあったし、別に怖がる必要はないものの、ツアーメイト達が緊張感いっぱいに私を凝視して来るから、こちらまで妙にドキドキして来た。
そして、エスカルゴを恐る恐る口にした。
「……!普通に美味しいよ。プリっとした食感で、全然気持ち悪い感じがない!」
そこに嘘はなかった。
その上、噛めば噛むほど、ジェノベーゼソースがエスカルゴによく絡み、美味しさが増す。
「そんな美味しそうに食べられたら……行くしかないな!」
こうして周りのツアーメイト達も、エスカルゴと仲良くなって行った。
最後の最後まで怖がっていたケイトも、なんとか無事エスカルゴを克服できた。
それ以外も、さすが美食の町・リヨン。
サラミ、ソーセージ、サラダ、肉類、チーズも、おかわりしたくなるものばかりだ。
チーズが苦手だったメキシコのセリオも、ここリヨンで大のチーズ好きへと変身した。
レストランから出ると、中世も変わらぬ姿だっただろうリヨンの旧市街が暖色のライトアップで、温かく私達を見守ってくれていた。
「フランス第3の都市なのに、なんかニースより落ち着いてるね」
「この旧市街は特に、中世の雰囲気があるかなかな?町も食も、最高だね」
私達は五感をフル活用し、この日も南フランスを堪能した。
五感をフル活用してこその南フランス
喉など、万が一どこかの調子を崩してしまっても、別の視点からも楽しむことが出来る国ーフランス。
たくさんの色彩、音色、香り、食、感触に満ちた南フランス滞在時は、いつも以上に五感をフル活用して、あらゆるものを感じ尽くして頂きたい。
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