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おめでとう。同い年にはなれないけれど。

気付いたら6月6日が終わってしまった。あんなにも大事な日だったのに。

紫陽花を見ながら歩いて、
綺麗だなぁなんて思って、
隣でわらう貴女を感じて、
漂う想い出を抱きしめて、

もう6月7日になっちゃった。

でも寝るまでは今日だから。
だから今(0時25分)の私にとってはまだ6月6日だよ。

おめでとう。20歳だね。
同い年にはなれないけれど、貴女が残した何かを独りで抱きしめながら、私は瞼の裏で歩き回ったよ。
久しぶりだったから、まだ全然頭は働かない。
文字もダブって見えるし、頭も痛いし。
誤字りたくないから、すごく慎重に文字を打ってるよ。

一緒にやってたことをしてるよ。夢中になって、音にあわせてピンクを追いかけて、その尾鰭に触れたと思ったらもう6月7日になっちゃってた。
貴女は笑うかな。「しょうがないなぁ」って笑ってくれるかな。

しょうがないよね。だってもう居ないんだもん。
今日くらいは、何もかも忘れて貴女を想っていたかったから。
抱きしめていたかったから。
最近買ったイヤホンじゃなくて、昔使ってたイヤホンを引っ張り出して、やっぱりそのイヤホンは枕で横になっても痛くなくて、音は今使ってるやつの方がいいけど、なんでか分からないのに勝手に涙がこぼれたの。

音楽が綺麗で、
瞼の裏は美しくて、
ピンクの尾鰭は儚げで、
貴女の想い出は尊くて、
頭の中は乱れてて、
天井が動いて、

6月6日はそんな日だったよ。

覚悟、とかじゃないんだけど、今日は大学もサボっちゃった。
朝起きて、少しだけ緊張しながら嚥下して、ヨーグルトが甘ったるくて、そして気付いたら今。

笑ってよ。
貴女の笑い声は、どんな世界を瞼の裏に創り出すのかな。

忘れさせないでよ。もう3年も経っちゃったよ。
記憶なんて信用してないんだから、今すぐ目の前に現れてよ。
会ったことがなくても、私は貴女を知ってるんだから。

近況報告するね。
大学にはちゃんと通ってるよってことと、バイトしてるよってこと。
貴女としていた遊びは、最近はあんまりできてないかな。
でも最近良いものもあるんだよ。
貴女と一緒にやってみたかった。

目の前に宇宙なんて広がってくれない。
6月6日は、紫陽花と貴女。それだけでもう充分だよ。
1年前に貴女のことを書いたよ。紫陽花が好きになったのは、貴女のおかげだよ。
どうやっても忘れないから。忘れてなんてあげないから。

忘れられるわけなんて無いから。

あーあ。1時になったら流石に6月6日です!なんて言い辛いなぁ。

おめでとう。同い年にはなれないけれど。

まだ夜は長いから。ここで書かなくても、寝るまでが6月6日ってことにしていいかな。甘すぎるかな。

でも、居なくなった貴女が悪いんだよ、なんて本気では思わないけれど。

じゃあ、また。お墓参りで。

おやすみなさい。

おめでとう。



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