1秒単位の鮮度
違和感は、夏日と言われる初春の季節外れの陽射しを浴びても蒸発しない。それは彷彿とした、一時的な感情が手の指の隙間から零れ落ちて、コンクリートに赤黒い血痕を残した時にはじめて気づく。近くで眺めようと、掬い上げるとすぐに消える。だから何がなんでも形にしたいと思う。
何歳だって、口の周りをケチャップでベタベタにしながらハンバーガーにかぶりつくおとな。覗き込むと、無垢が目の端に映る。この煌めきは逃してはいけない。いつだって、鮮度が人間的。潤んだ。その涙は?
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