見出し画像

大学生、Leicaを買う。

Leicaとは

Leicaとはドイツのカメラメーカーというのはこの記事を読んでいる時点でご存じだろう。
僕はクルマ好きなので車に例えるが、ライカはポルシェに近いだろう。それはただ同じドイツの工業製品メーカーであるからというわけではない。製品をつくる上での企業理念やファンの在り方、質など。様々な点において似ていると感じるのだ。

ポルシェはライカ、ライカはポルシェ。

ポルシェにはフラッグシップである911というモデルが存在する。911は1960年代にデビューを果たしモデルチェンジを繰り返しながら、今もなお世界中で愛されているスポーツカーだ。そのフォルムとRRという駆動システムに魅了されるものは多い。
911というモデルはライカで言うM型であろう。そしてRRという駆動システムはレンジファインダーであろう。
両社とも熟成させたシステムを世に出してから、半世紀以上そのシステムを変えることなく作り続けている。
ポルシェもライカも価値が下がりにくいというのも似ているだろう。
さらにはファンやユーザーのモチベーションも似ている気がする。(ここからはかなり想像が入る)

ポルシェを駆る紳士は、自分のポルシェが最良のポルシェという言うだろう。そうでなければとっくに売り払っているであろう。
ライカユーザーも自分のライカがいちばん良いというだろう。少なくとも自分や自分の周りはそうだ。
他人のカメラを羨むのではなく、「それはそれの良さがあるよね。まあ自分のがいちばんだけどね。あはは。」という感じが似ていると感じるのだ。

大学生、Leicaを買う。

ご存じの通りライカは高い。中古と言えど高い。
最新のM11-Pは150万に迫っている。さらにはレンズも50万からという感じで到底買えたものではない。
よって購入するとなれば中古のM8やM9が限界である。
結論から言うとM8を購入した。価格は24万だ。
状態は良くマップカメラで言う良品程度であろう。

Leica M8    summitar 5cm f2

レンズは元々持っていたオールドレンズを組み合わせて使用している。
レンズはL39マウントのため、アダプターを介して取り付けしている。

手に入れる前から思っていたが、とにかくビジュが良い。
常に触っていたくなるほどの魅力がある。

昼間は学校に行き、夜はバイトをして貯めたお金のほとんどをコレに注ぎ込んだが、かなり満足している。というか買って正解だったと思う。
今まで使っていたソニーのミラーレスでは絶対に得られなかったであろう撮影体験をM8では得られる。

レンジファインダーという世界

先に書いた通りこのカメラでは今まで使ってきたキャノンやニコン、ソニーといった国産カメラメーカーでは絶対に得られなかった撮影体験ができる。

M8のレンジファインダーを覗くと、白い枠が二つ見える。
28mmと35mmの画角を表すものだ。
自分は50mmのレンズを使用しているので、更に小さい50mmの白枠を想像して撮るのだ。
これが今まで使用してきたカメラと全く違う点である。
いわゆる一眼レフやミラーレスといったカメラは、レンズを取り付けてセンサーに入った光をそのまま背面モニターやファインダーに映し出すのだ。そしてきれいな画を見つけてシャッターを切るのだ。
一方M型ライカは、目の前に映っている世界を自分の持っているレンズで切り取る。そこには電子ビューファインダーや背面モニターといったものは存在しない。白枠の表示された素通しのガラスのみである。
当然ピント合わせや画角を決めて撮影したいときには不便なのだが、このレンジファインダーでしか得られない撮影体験やそのシステムが有利に働く場面も存在する。

M8のスペック

スペックと言っても現行のカメラからしたらおもちゃ程度のものかもしれない。1030万画素しか撮れないしWi-Fiを使った無線データ送信機能もない。対応するSDカードも32GBが限界である。
撮れた写真を確認しようと思っても、背面液晶がPSP程度なので明るさや画角といったざっくりした要素しか確認できない。
そんなM8だが、KodakのCCDセンサーをつんだカメラということもあり、出てくる画がまるでフィルムカメラで撮影したかのようなのだ。
ノイズもそこそこ出るがそれがまた良い。
そんなこともあって、M8は意外と根強い人気がある。

作例



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?