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Captions:AI搭載クリエイティブスタジオ

East Venturesの佐藤(@1123_sl)です。

前回のイベント作成ツールLumaに引き続き、今回も現在注目の海外サービスについてまとめていきます。

今回の記事は、生成AIを活用して動画内の言語を翻訳したり、字幕を自動追加可能など、オールインワンで動画を編集できるアプリ「Captions」について解説します。


Capitonsとは

サービス概要

Captionsとは、AIを搭載しているクリエイター向けの動画編集アプリです。主な機能としては、アップロードした動画への字幕追加機能や動画内の音声を多言語に翻訳する機能、動画撮影中に話すことを忘れないために撮影画面に台本を表示する機能などがあります。

2~3日間無料トライアルでお試し利用することもできますが、基本的には有料プランCaptions Pro(現在iOSのみ利用可)で登録する形となります。Captions Proは年払いだと¥7,500/年(56%お得)、月払いだと¥1,450/月で利用することができます。

AI機能

Captionsで利用できる機能の一例は以下になります。

  • 動画の音声を自動で翻訳し、動画内にスクリプトを表示(OpenAIのWhisperを使用)

  • 動画内の人の目線をカメラ目線に調整(NVIDIAと共同開発)

  • 動画内の文章から生成AIで画像を作成し、動画内へ挿入することが可能

  • 動画内の内容に合う絵文字を自動で挿入

他にも多くの機能があり、こちらのサイトにCaptionsで利用できるAI搭載の機能がまとめられています。

Captionsアプリのダウンロードはこちらから。現在はiOSのみ対応しているそうです。

その他にもWebで利用可能なプロダクトとして、ビデオデータ圧縮サービスや、動画内の目線をAIでカメラ目線にするサービスなどがあります。

創業ストーリー

共同創業者のゴウラヴ・ミスラ(CEO)は元々SnapでDesign EngineeringのHeadとして勤務しており、位置情報公開機能Snap Mapsなどの新製品を開発するチームに所属していました。

彼がSnapに勤務していた当時、TiktokやYoutubeショート、Instagramのリールなどショート動画が流行り始め、クリエイターがカメラに向かって直接話す「トーキングビデオ」が注目を集めていることに気がつきました。

Snapでの経験や時代の流れからAIクリエイティブスタジオCaptionsの事業アイディアを思いついたゴウラ・ミスラは、前職の同期であったゴールドマン・サックスの消費者部門マーカスの初期メンバーであるドワイト・チャーチル(COO)と共にCaptionsを共同創業しました。

ドワイト・チャーチル(左)とゴウラヴ・ミスラ(右)
※Forbesインタビュー記事より引用

日本人創業者のZypsyがデザインを担当

Captionは意外なところで日本との接点がありました。

玉井和佐氏がサンフランシスコで立ち上げたアプリ・WebデザインサービスZypsyが、Captionsのデザインなどを担当しました。

Webサイトより引用

Zypsyは株式やトークンをいただく代わりに、アーリーステージのスタートアップ向けにサービス設計やブランドデザインのサポートを行う企業で、Klab Venture Partners(現ANOBAKA)やTLM(現mint)なども出資を受けています。

CaptionsとZypsyが出会った当初、Captionsはユーザーの中である程度の評判は獲得していたものの、クリエイターの動画作成のオールインワンツールとして認知を拡大するには、デザイン戦略を再設計する必要がありました。

サービスの利用状況(2023/6時点)

2023年6月時点で、約300万人のクリエイターがCaptionsを利用しています。クリエイターは領域に関わらず、ゴルフや不動産など幅広い領域でCaptions内で動画を作成しています。

こちらはディズニー系列スポーツ専門チャンネルESPNのコメンテーターが投稿した、Captionsを利用したショート動画です。

現在、約10万人/日のアクティブユーザーがおり、アプリ内では100万本/月のビデオがアップロードされています。

資金調達遍歴

ここでは、Capitonsのこれまでの資金調達歴について各ラウンドごとにまとめます。

シードラウンド

シードというよりかはエンジェルラウンドで、Crunchbaseの情報によるとInstagramやZenly創業者などtoC経験者、AirbnbやEpic GamesみExit済みの9名のエンジェル投資家から資金調達を実施しています。

  • 調達リリース日:2022/1/1

  • 調達額:不明

  • 投資家:Lenny Rachitsky(AirbnbにExit)、Mike Krieger(Instagram創業者)、Kevin Systrom(Instagram創業者)、Antoine Martin(Zenly創業者)、Nico Wittenborn(キャピタリスト@Adjacent)、Julie Zhuo(元Metaプロダクトデザイン担当)、Jaren Glover(Robinhood初期エンジニア)、Ben Rubin(EpicにExit)、Jacob Andreou(GP@Greylock)

シリーズAラウンド

  • 調達リリース日:2022/4/8

  • 調達額:不明

  • リード投資家:a16z、Sequoia Capital

  • フォロー投資家:Ludlow Ventures、Chapter One Ventures、The Twenty Minute VC、Uncommon Projects

シリーズBラウンド

  • 調達リリース日:2023/6/22

  • 調達額:約36億円

  • 評価額:約360億円

  • リード投資家:Kleiner Perkins

  • フォロー投資家:Sequoia Capital、a16z、SV Angel

まとめ

InstagramやZenly創業者も投資するほど、注目度の高い動画編集アプリということが分かりました。僕もショート動画を投稿する時がきたら、Captionをどんどん活用していこうと思います。

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参考文献


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