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ライティング「3つのNot」の危険性

ボリュームたっぷりになっちゃって
 着地点がぼやけちゃう問題」
に対し、

要点をシンプルに把握しやすくするコツ
お届けするシリーズです。
(前回記事 ► シンプルさを追求する@文章研究

今回は
3つのNot 考察記事をお届けします。

教材やサイトでも頻繁に目にするので、
忠実に、確実に、そして丁寧に
実践されている方は多いですよね。

でも、ちょっと待って。
そのまま実践しちゃってて大丈夫?

・・・・

「ちょっと危険なのでは?」と感じる
セールスレターにも出会いますので、
気になった点を取り上げつつ
対策を考えます。

では、
いきましょう。






問題点:「3Not」意識しすぎで読みにくい。

セールスライティングや
マーケティングを学ぶ教材では
必ずと言っていいほど触れる
「3つのNot」と呼ばれる壁。

読まない壁を越えるには
 →「興味付けとベネフィットが大事。伝えよう」
信じない壁を越えるには
 →「根拠となるデータや権威性を示して信用を得よう」
行動しない壁を越えるには
 →「恐怖を見せ決断・行動の有無で未来を示そう」

セールスを目的とした文章を構成する際の
「基本項目」であることは間違いないです。


「え?当たり前すぎじゃない?
 そこを意識して書いて何がいけないの?」

と思ったら、要注意。


よく見てほしいのですが、
「読まない・信じない・行動しない」は
読者さんの心理・行動を表す3Not なんですよね。


つまり、
「書き手側が伝えたい内容」の伝え方ではなく、
読者さんの行動結果の「壁(3Not)」なんです。

それを知り、越えていこう!
ということなんです。


大事な要素ですが、
「セールスライティングの教材などに
 書いてあったから、ゴリゴリにやっていこう!」
だけでの3Not 活用意識は危険ということ。

なぜなら、
簡単に、しかもヘタするとひどく下品に
押し売り感がにじみ出てきてしまう
から。

3Not だけを意識した文章の雰囲気を書き出すと…

■ 商品のいいところ・そして使った後の快適さを伝えた!
■タイトルからして常識破壊したし、これで興味持ったでしょ!

■ おすすめする根拠とこだわりのデータも見せたし!
■ 実績もあるからね。説得力あったでしょ?魅力的でしょ?
■ ほらほら。権威ある専門家だって言ってるし!

■ この商品がないとあなたの未来は何も変わらないよ?
 むしろ、快適さが得られないから損をした未来しかないですよ?
 てことで、選びますか選びませんか?分岐点にいますよ!

…こんな感じ。
極端にいやらしく書いていますが、
まぁ…こういうことです。

私は、リアル店舗でも文面でも
押し売り感が強いものに対しては
苦手意識が強いので
余計気になってしまいます。。

「売りたい意思がはっきりしている」
という点に関しては立派。


だけど。。
うーん。。。


やっぱり個人的には避けたい。
そして、違和感。

ライティングの本質
「読者さんが興味のあることばを使う」
「読者さんの関心ごとについて書く」
ということ
です。

自分が書きたいことではないのです。


このことを踏まえて、
興味付け・根拠・行動へ3つのNot を
克服しようとしすぎると
生じてしまう危険性に焦点を当ててみます。


それぞれの危険性をあぶりだすと、
対策が見えてきそうです。


1> Not Read:「読まない」の壁。

「興味付けが大事」を意識しすぎた結果に
やらかしてしまっているパターン。

危険要素:過度な誇張と誤解を生む表現。
原因:過激な強調や誇張は誤解を招き、誇大広告に。

興味付けをする前に、
まず、読者さんに興味を持ちましょう。

どのような読者さんが訪れてくれるのかを
想像することが重要です。

魅力的なタイトルに加えて
【世界初】【日本初】【人気No.1】など、
特別視を狙う表現を使う際には注意が必要です。

最上級表現を用いるときには
必ず根拠もセットで表示しましょう。
(※下記の要注意欄をご参照ください。)


根拠のない強調や誇張表現は、
一時的に関心を引くには効果的ですが、
ゆくゆくは信頼性を失うリスクも高まります。

【 ちょいズレ小話 】--------------------------
「ウソはダメ」の教訓として
記憶されている人が多いと思いますが、
イソップ物語の「オオカミ少年」という童話は
誇大表現のリスクも包括して教えてくれる内容ですね。

-----( ※ 要注意 ※ )----------------------------------
景品表示法(消費者庁)のホームページを
ご確認いただくのが確実です。
簡単にまとめると、
消費者に、実際よりも著しく優良もしくは有利と
誤認させるような不当な表示が禁止されています。

-----------------------------------------------------------
※事業者に対してのものなのですが、
 文章を書くのであれば、知っていて損はありません。
 参考までに一部…リンクを張っておきますね。
(▼すべて消費者庁ホームページ内のリンクです▼)
「景品表示法とステルスマーケティングガイドブック」
「こんな表示を見かけませんか?」
「その話、本当?アフィリエイト広告って何?」

▼ 対策 ▼
不当な表示にならないよう、
最上級表現には根拠・裏付けは必ず示しましょう

例)
■「売上No.1」などは、集計期間を表示する。
  →※2022年1月~2023年11月までメーカー販売実績による

■「業界史上初」は、
 その時点のことだとわかるように時点と調査元を表示する。
  →※2023年11月現在、(メーカー名)調べ

キャッチーなことばを使うときにも
「真実であるべき」なんです。


► コツ:誤解を生む原因となっていないかの見直しを!
見てもらいたい気持ちがあふれ出て
つい過激に書いてしまうこともあると思います。

盛りすぎた表現になっていないかどうか
冷静になって見直す、
ここまでを「書く」作業に含めましょう。

【 point 】-------------------------------
こねくり回した表現よりも、簡潔に!
--------------------------------------------
目新しさを印象付けたいために
よくわからない造語を作ったりするよりも、
スッキリと主張されている表現が
いちばん印象に残ります。

「タイトルにつられて見てみたけど、
 読み進めてたらなんだこれ?」と
読者さんの誤解を招いたり迷子にさせたり
してしまわないよう、心がけましょう。


2> Not Believe:「信じない」の壁。

商品のよさをとにかく伝えたい、
商品を、何が何でも手に入れてもらいたい。
その熱意は素晴らしいと思います。

が、注意が必要。

危険要素:過剰な感情論の展開。
原因:感情が盛られ過ぎてて、判断基準がぼやける。

過剰になりすぎると妄信しているのかな…と
人は恐ろしさを感じる
ものです。

「勢いに乗せられて買うことになっちゃった…」
「ヤバイものに手を出したかも…」と
後悔の元を作ってしまうことになりかねません。
(そしてクレームに発展しかねません…)

感情論か理論的か、
自分が感じたこと重視か建設的にするか。

…下世話な話ですが…カップルのケンカ時、
感情論をまくしたてても
何も解決しないのと似た現象ですよね。。コワイ。。

▼ 対策 ▼
感情論と事実とロジックを掛け合わせて
文章を展開しましょう。

そうすることで
悩みや経験に共感できる点を
見つけてもらいやすくなり
感動や価値観も共有しやすくなります。

過度に感情論が続く文章に読み疲れ、
結局最後まで読まずに閉じちゃう。
きっと経験…ありますよね。


► コツ:楽観的要素だけでなく、現実的側面を提示。
感情論だらけだと、
読者さんは価値観を押し付けられているような
感覚になってしまいます。

たとえ、読者さんにとって、
とても有益で役に立つことだったとしても。
ここでしか知ることのできない話であっても、です。

現実的な事実・ロジックを提示することで、
読者さんも客観的視点を持てるようになり、
情報を評価しやすくなります。

【 point 】------------------------------------------
具体的な例や事実を伝え、共感・興味を引き出す
-------------------------------------------------------
悩みや失敗、うまくいくよう試行錯誤したことなど
ご自分の経験を文章に落とし込んでみましょう。

例)
<お片付け編>
「私はズボラで、片付けが本当に苦手でした。
 気付けば部屋が散らかるのは忙しいから。
 時間がないせいにしていたんです。

 そんな私が、今では1回3分の習慣で
 きれいなお部屋をキープできるようになりました!
 今日ご紹介するこのお片付け方法はおすすめですよ。」


<下降気味データ表示編>
「このデータからもわかるように、
 うっかりするとよくない習慣に
 流れてしまいやすいんですよね。

 私もいつの間にか、やっちゃまずいパターンに
 ドップリはまっていました。。
 このままじゃマズイ…って危機感があったので
 この参考書で学んで取り組み方を見直し、
 改善に取り組むことにしました!」

あとこれ、意外と印象に残る部分ですが、
「○○だと思うので△△した方がいいと思います。
 なぜなら□□だと思いますし…。」
という「思います」構文。

避けたほうがいいですよ。

思っていることを伝えるのは
悪いことではないですが、
「思います」が大量発生すると…

読者さんの中の
リトルひろゆきも大量発生します。
「それってあなたの感想ですよね?」って。


そしてもうひとつ「かもしれません」構文。

例としてはよくないですが…
天気予報で「~かもしれません」ばかりが
気になっちゃったことありません?
あれ?天気なんだっけ?
雨降る?って。


ていねいに、やさしく書こうとした結果、
断定せずに「思います」「かもしれません」を
使っちゃうことはあるあるですけどね。

あくまでも「いち個人の意見です」って
最初に書き記すと
「思います」で締めくくるのが

減ってくると思います。←NG
減らすことができるかもしれません。←NG
減らすことができます。←OK( ´艸`)

↑ ね?笑
説得力や印象が変わります。


3> Not Action:「行動しない」の壁。

セールスライティングに触れていると、
ちょっと急かし過ぎな場面の多さを感じませんか?

危険:過度なプレッシャー
原因:プレッシャーを強烈に感じると不快感を抱きやすい。

「時は金なり」の格言もありますし…

時間はどれだけお金を積んでも取り戻せないので、
行動は早いに越したことはないのは事実。

限定的な期間を強調することは大切ですし、
今すぐ行動した方が1ヵ月後に始めるよりも、
先に効果が出るんだから早くやろうよ!
って促すことも正しいんです。


でも、急かされることで
強烈なプレッシャーを感じてしまい、
不快感を覚えてしまう…さらには
不安を抱えたまま行動するには恐怖があり、
拒絶反応まで引き起こすことも。。

▼ 対策 ▼
安心感と選択肢を提示しましょう。
購入や行動に対する不安を取り除くために、
個別で相談できる環境があることや、
質問にもお応えできる点、返金保証など、
不安に感じている部分を補える旨をお伝えしましょう。

対応可能な範囲でですよ。

読者さんが選べる立場であることを見失わないように、
緊張をほぐす情報を含めることがおすすめです。

► コツ:意思決定してもらいやすい環境を作ろう。
数量限定や、期間限定のように
「今買わなくちゃ!」「今行動しなくちゃ!」
という気持ちを引き出す方法はたしかに有効。

しかし、
そこで冷静な判断を
読者さんができているかどうかは
また別の話です。

それは、読者さんにとって、
本当に必要なものだったのかどうか?
この視点は重要だと思います。

即決が難しい状況の場合には
ご連絡いただければ、
一時的に取り置き対応が可能な旨や
考えるための猶予期間を設けるなど
都度相談に乗れる環境づくりが効果的です。

【 point 】-----------------
行動したくなるように促す
------------------------------
読者さんが自分の意志で行動できる導線を
用意できるのが理想ですね。

例)先ほどの片づけ編と下降気味例から-----
「片付けられるようになりたいから、最後まで読んでみようかな」
「これ以上失敗したくないし私も改善したいから、試してみようかな」

読者さんの動機づけにつながるように言語化して、
読者さんの理想の未来・夢を示すことを
意識するのがおすすめです。

文章で伝える・受け取るというのは、
読み手がすでに「能動的」な行動を
開始している状況です。

「音声」は「受動」で入ってきますが
(「聞く」と「聴く」の違いはあるけど)
「読む」は「能動的」なんです。

さらに進んでもらうために
多すぎるプレッシャーを仕掛けるのは、
逆効果になってしまうケースもあるので
要注意です。


まとめ。

「セールスライティング」は、
言い換えると文章のカタチをした
営業担当・セールスマンなんです。

「セールスマン」って
ノルマ達成のため、何が何でも売りつける…

なんてイメージを持っている人も
いるかもしれませんが
(そういう残念な人もいるけども)
本来そうではないのです。

お客さんの悩みに寄り添って状況を把握し、
適切なものを提案・案内する。
それがセールスマン。

信頼できる柔軟さと誠実さを
備えているからこそ
「この人から買いたい」
「この人に任せたい」と
思われるものなんですよね。

なので、冒頭にも書きましたが
セールスライティング
「読者さんが興味のあることばを使う」
「読者さんの関心ごとについて書く」
ということ
が本質です。

ここに誠心誠意込めることで
あなたの書きあげるセールスコピーは
他の人とは格段に差のついた文章になります。

3Notは飽きたよーと言わず、
振り返りながら取り入れてくださいね。
(自戒を込めて。)



ではまた!


余談:もっと掘って深めたい部分ですね。
3Notについては、飽きるほど
触れている方も多いと思うのですが、
「王道」なんですよね。

今回は3つまとめて書き上げているのですが、
それぞれ1つの項目ずつ、
もっと深掘りしたい内容です。

セールスライティングをするなら
まずはここから、というくらい大事ですし、
多くの人が記事にするくらい
根幹部分。

少し角度を変えて書きましたが
本筋部分も記事作成案件ですね。

予告:今後このシリーズで書こうとしている内容チラ見せ

落としどころが不明瞭になるのは本人の混乱
 ► 着地点、目的地の設定方法の予定
   何が書きたかったのか、本人も見失ってるような…。

理想の未来と再現性、そして恐怖との闘い
 ► シンプルさとは少しズレが出そうですが
   伝え方ノウハウを予定
   ここを知っていると、説明がまとまりやすいはず。

文章をデザインするってどういうこと?
 ► シンプルにっていっているのに装飾とは…。

ロジカルシンキングは必要か?
 ► 読者の感情さえ動かせばOK!熱量あればOK!
   からの不要論もあるけど、それは本当か?

3Not 本筋編
 ► 各Not を別記事で3章仕立て予定



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