読後感#6 アカマイ 知られざるインターネットの巨人

IT業界やインターネットに詳しい人であれば聞いたことであるだろう、アカマイという会社を、初めて知った。
本書でも述べられているが、インターネットとは、”ネットワークのネットワーク”という語源を持ち、個別のネットをつなげたものだ。そう、ネット間の情報通信によって、私たちは情報を得ている。その情報の通信方法は、現在TCP/IPというプロトコル(約束事)で決められて動いている。要点は、末端機器・端末がデータを保証する、という点だ。ネット間をつなぐルーターは、複雑な処理を行わず、決められた単純な作業を行う。データを通信するために高度な処理を行うのは、端末なのだ。私たちが良く知るMac BookやSurface Proといった端末は、高度化するとわかりやすい。データ処理の速さ、解像度といった高度化は進んでいく。しかし、データの通信ルールに関しては、TCP/IPといった決まった方式で単純作業を行う。現代のようにYoutubeやNetflixなどの映像通信も当たり前になり、データ通信量が大幅に増えてくると、処理する端末は優秀でも、通信で通る道路は大量のデータに耐えられない。1つのサーバーに集中すると、サーバーダウンなども起きる。アカマイという会社は、決められたプロトコルをうまく利用し、混雑を解消する。そう、通信の効率化・最適化を図っている。

ただインターネットを魔法のシステムと思い、中身を知らなければ彼らのビジネスや仕組みはわからない。そして本書の面白い点は、もう一つ、インターネットとお金の流れに注目していることだ。なぜアカマイが世界3分の1ものデータを通信できているか、それは通信の効率化・最適化によりお金の流れも制しているからだろう。多量の情報を扱わないASにとって、アカマイのサーバを入れることはメリットになる。その点を抑えているからこそ、蛇のようにしぶとくそして深く根をはっている。

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